なたまめの育て方

なたまめの育て方

中国では古くから漢方と用いられてきました。中国の歴史的な著書には「なたまめは腎を益し、元を補う」とかかれています。人というのは「気」を蓄えておく臓器ということで、「気」とは生命エネルギーの源のことです。「腎」の機能を高めて病気に負けない体を作る漢方として重宝されてきたのです。

なたまめの種付け

種付けは5月から6月の2か月間が良いでしょう。種には白、赤、ピンク、褐色などがあります。赤い種は少し固いので種に傷を付けたり吸水処理を行ってから撒くとよいでしょう。白い種は特に処理をしなくても発芽しやすくなっています。発芽に適した温度は20度から25度とやや高温です。

ポットにひとつづつ種付けをし、種付け後はしっかりと水やりをしてから日のよく当たる温暖なところにおくようにします。すると種が膨らんで土を持ちあげてくるようになります。ただ水の与えすぎに注意をするようにしているとその後一週間くらいで発芽します。

発芽して本葉が4、5枚になったころにポットから畑やプランターに植え付けをします。植え付ける2週間くらい前に土に苦土石灰を混ぜておき、植え付け前に牛糞などの肥料も混ぜ、株間は40cmくらいにしてなたまめの苗を植え付けていきます。プランターなら一株で良いのです。

支柱はできるだけ丈夫で背の高いものを取り付け、水切れと肥料の与えすぎないようにしてなたまめの成長を見守っていきます。7月ごろになるときれいな花が咲き始め、莢も急速に成長しはじめます。緑のカーテンを作るには家の2階やマンションのベランダに支柱を立てて、つるを誘導するようにします。

栽培のポイントとなたまめの上手な育て方

日当りが良く風通しの良い場所で栽培するようにします。なお、なたまめは連作障害を起こしやすい植物なので、前年度にマメ科の植物を植えた場所には植えないようにすることがポイントとなります。

水切れには注意をし、土の表面が乾いてきたらたっぷりと水をやすようにします。ただ発芽前だけは水のやりすぎに注意をしないと、種が腐ってしまい発芽もしなくなるので、その時期の水やりの仕方が上手な育て方ができるかどうかのポイントともなります。

プランターで栽培するときや狭い場所で栽培をするときにはつるが広がりすぎないように親づると株もとから出てくる子づるを数本残して仕立てて、わき芽のツルは摘み取るようにするとよいでしょう。摘み取りをしないとつるがどんどん伸びて絡まりあい、だんだん重くなってくるので、強風などで支柱ごと倒れてしまう恐れもあります。

しかもなたまめのつるは成長が早いので、こまめにつるを整理して行かないとどんどん伸びていって広がっていきます。3、4日に一度くらいの割で広がるつるを整理していくことで、重くなることを避け、残ったつるに養分がいきわたり、日や風も中まで当たることになるので、こまめにつるの生理をしていくことがなたまめの上手な育て方のポイントです。もしつるが目標の高さ以上にどんどん伸びていくようならバッサリと刈り取る必要もあるのです。

なたまめの収穫

成長が早く、莢もあっという間に大きくなります。食用にするために緑の若い莢を収穫する場合には莢が長さ10cmくらいになったら収穫の時期です。若さやなら8月初旬から中旬ごろ収穫しますが、中の豆はまだあまりできていません。もう少し収穫せずにおいておくと、9月中旬ごろから中の豆もだんだん大きくなってきて分厚い莢になってきます。

そしてそのころを通り越して莢の色が黄ばんだり、茶色っぽくなってくると中の豆がだんだん小さくなっていくのですが、収穫するなら10月ごろ、分厚かった莢がだんだん薄くなってきて莢の色も緑色の部分がなくなり薄茶色になってきたころです。天気の良い日に熟した豆を順次収穫していきます。

すべてのなたまめを収穫するのに1カ月くらいかかりますが、収穫した莢を手で割れば中からまめが出てきます。このように水切れや肥料のやりすぎに注意をし、つるが伸びてきたらこまめにつるの整理をするという、上手な育て方を知ってさえいれば、どんどん育っていくなたまめです。

なたまめ茶を作る方法

膿をとる効果があったり、体を元気にして強い免疫力を作るといわれて中国では古くから漢方薬、生薬として使われていたなたまめが日本でも最近膿をとり、口臭を消したりすることに効果がある「お茶」として人気を呼んでいます。そのようなお茶の作り方は、まずなたまめをきれいに水で洗ったあと、約30分ほど水に浸します。

すると豆の皮がふやけて柔らかくなり、手で簡単に皮が剥けます。この時、中の豆までふやけてくると困るので一時間以上は浸さないように注意をします。まだ皮が硬く手で剥けない場合には熱湯にさっと通すようにします。皮むきが終われば湿気をとるために一日天日干しをします。

乾いた豆をミキサーや石臼で粉砕しパウダー状にして、フライパンで炒ります。数十秒炒ると、白い粉が黄色くなってきてきな粉のような香りがしてきます。その粉をお茶パックに入れてお湯を注ぐとお茶が出来上がります。このように家庭でも作ることができるので、なたまめを種付けから半年かけて栽培するところから始めてみるのもよいでしょう。

なたまめの歴史

中国では古くから漢方と用いられてきました。中国の歴史的な著書には「なたまめは腎を益し、元を補う」とかかれています。人というのは「気」を蓄えておく臓器ということで、「気」とは生命エネルギーの源のことです。「腎」の機能を高めて病気に負けない体を作る漢方として重宝されてきたのです。

さらに「脾を健やかにし、腎を補い、寒を散らし、腸胃を利す」とも書かれています。脾は消化や吸収の働きをする臓器の総称で、その脾を健康にし、気と血を生み出す働きをするとされています。このような効能のある生薬が日本に伝わってきたのは江戸時代で、日本では縁起の良い食べ物とされ、旅に行く前に食べたり、持っていったりしていたといわれています。

なたまめの特徴

なたまめはマメ科の一年草で長さが30cmから50cmもあるナタのような形をした「さや」から「なたまめという名前が付けられました。原産地は熱帯アジアや熱帯アフリカなどです。日本に伝えられた当初、鹿児島で栽培が盛んに行われていたので、今でもなたまめの生息地として有名です。鹿児島県はシラス台地で水は毛が良くてミネラルが豊富、そして気候もよいので、刀豆の生息地としてはとても適しています。他には鳥取県や兵庫県で栽培されています。

品種は3種類あり、白、赤、タチがあります。白は大きなさやを持ち暑さにも強いことが特徴です。草丈が2m以上にもなるものもあり、花は白で、白い豆が収穫できます。赤は花の色がピンク色で赤い豆が収穫できます。タチは半つる性の植物で乾燥に強く、1mくらいになります。白や赤に比べると茎がしゃんと立つことから「タチ」という名前が付けられました。花の色は紫とピンクの間くらいの色で白い豆が収穫できますが、毒性が強く食用にはなりません。

他の刀豆の毒性が微弱で菅あるので、食用にするときには下ごしらえが大切になってきます。煮るだけでは完全に毒性が抜けないので、その後2日間ほど水にさらしたり、ゆでこぼしたり、炒ったり、発酵させたりすることで毒性が抜け食用になります。豆は煮豆や餡にして食べますが、最近もっとも多い利用法は「なたまめ茶」です。

豆のさやと豆を細かく挽いてお茶にしたり、サプリメントとして通信販売なので販売されています。ウレアーゼやカナバニン、などの成分が含まれていて、むくみや腎臓病、歯槽膿漏などの症状を和らげてくれます。そのため、別名「膿取り豆」とも呼ばれ、最近とても有名で人気のまめです。食べられないものは緑のカーテンとしての人気もあります。

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