エケベリアの育て方

育てる環境について
エケベリアは、標高が高くて雨の少ない所に原生している植物であるため、湿気を苦手としています。蒸れがとても苦手なので、一年を通して風通しの良い場所で栽培するようにします。成長して株が大きくなったら、2~3年に1度、大きく成長する時期の前春先に、一回り大きな鉢に植え替えをします。
株を大きくしたくない場合は今使っている鉢を使用してもかまいません。茶色く変色した古い根をとりのぞいて整理し、新しい土にすることで丈夫な株に育てることができます。植え替えをした場合は水やりをしばらく控えます。エケベリアを植える用土は、サボテンや多肉植物用の培養土が水はけがよいのでそれを使用します。
茶色く変色した葉や枯れてしまった葉は、腐敗や病気の原因になってしまうので、見つけたらこまめにピンセットで取り除き、株を常に清潔を保つようにします。エケベリアは日光をこのむ植物で、日光が不足してくると、葉を大きく広げて効率よく日光を吸収しようと変形します。また日光が不足すると葉の色も悪くなります。
エケベリアの徒長を防いで、美しいロゼット型のしまった株を保つためには、よく日が当たる場所で育てます。ただし真夏の直射日光にあてると、葉やけをおこしてしまうので、半日陰の環境が望ましいです。エケベリアは夏型種で、春から秋が生育期の植物です。寒さには比較的強い植物ですが、冬は氷点下を下まわる頃は、取り込んで日当たりのよい室内で育てるようにします。
種付けや水やり、肥料について
エケベリアは雨の少ない土地を原産にしている植物なので、水やりは全体的に控えめにして、全体に乾かし気味に育てます。植えられている土が十分に乾いて数日してから、水を与える程度で十分です。水やりの目安は生育期でも3週間に1度程度です。
エケベリアの形状は、水が葉の上に玉となって残りやすいので、水やりが終わったら水玉を吹き飛ばして、残らないように注意します。残った水玉がレンズの役割をはたして、太陽の光を集めてしまい、それが葉やけの原因となってしまいます。
また葉が長時間濡れている状態は、腐敗の原因になるので、できるだけ土に水をあげるようにします。また葉の表面に白い粉がついている品種は、水に濡れると粉が落ちてしまいますので、葉に水がかからないように慎重に水をあげましょう。
根腐れを防ぐために、水やりをしたら受け皿に溜まった水を必ず捨てるように習慣づけます。真夏の水やりは気温が高い日中に水をあげてしまうと、水がお湯になり株を痛めてしまうので、早朝か夕方の涼しい時間帯を選んで水やりをします。冬は成長がゆったりになりますので、ひと月に1度を目安に水やりをします。
梅雨時期や秋の長雨の時期は、根腐れしないように葉に雨が長時間あたらないように気を付けます。肥料もたくさんは必要ではなく3~5月、9~10月に薄めた液体肥料を少量与えます。紅葉時期に肥料を与えてしまうと色づきが悪くなるので、秋口は早めに肥料を施します。
増やし方や害虫について
株分け、さし芽、葉ざし、種まきのいずれの方法でも増やすことができます。繁殖にむいている時期は3月から6月、または9月から10月です。株分けの方法は、親株の根元に小株が独立して出てくる場合に行います。親株を鉢から出し、根を傷つけないように土を落としてから小株を分け、別々に植えつけます。
水やりは数日おいてから与えるようにします。さし芽は茎が伸びてしまった株を切り取って、切り取った芽を乾いた小ビンなどにさして乾かします。数日すると切り口が乾燥してくるので、それから植えつけます。水やりは土に根が張る3週間ほどは水を与えまないように気を付けます。
葉ざしは、葉を親株から丁寧に切り取って植えつける方法です。この時に切り取った葉に、葉の根元がきちんと残っているか確認します。半日陰の場所の土の上に葉を置いておくだけで切り口から根が出てきます。根が1cmほど伸びてきたら霧吹きで水を与えていると、今度は新芽も出てきます。
新芽が2cmぐらいまで大きくなったら、最初の葉を取り除いて鉢に植えつけるようにします。この植物につきやすい害虫は、アブラムシやカイガラムシ、ハダニなどの種類です。葉や茎の養分を吸い取って生育が悪くなり、
フンなどで見た目にも汚らしくなるので、見つけ次第殺虫剤で駆除するようにします。予防的な意味合いで、季節の変わり目にあらかじめ緩やかな効き目の殺虫剤をまいておくと、虫害を効果的に防ぐことができます。
エケベリアの歴史
エケベリアはその学名を「Echeveria sp」といい、バラ目ベンケイソウ科エケベリア属の植物です。常緑の植物で、多肉植物の仲間です。エケベリアは中央アメリカメキシコや北アメリカ南西部、南アメリカを生息地としていて、約180種類もの原種が存在し、
さらに非常に園芸交配種がたくさん存在する植物です。世界中に愛好家や収集家が存在し、繁殖が難しくて希少な品種はオークションなどで大変な高値で取引されています。かわいらしいバラの花のような部分は花ではなく、ロゼット状に広がった葉の部分です。
最近は多肉植物の人気が高まり、園芸店だけでなくホームセンターや雑貨屋で販売されている光景を良く見かけるようになりました。多肉植物の中でも比較的丈夫で、初心者でも育てやすい植物です。エケベリアという属名は、18世紀にメキシコで活躍していたボタニカルアーティスト、
アタナシオ・エチェベリア(Atanasio Echeverria)の名前にちなんで命名されています。エケベリアの花言葉は「穏やか」です。エケベリアの園芸交配種には、非常にたくさんの種類がありますが、有名なものに、小型で葉先が赤く色づく「チワワエンシス」、
褐色の葉が肉厚で網目のような模様が美しい「大和錦(やまとにしき)」、澄んだブルーグリーンの葉が一年中楽しめる「ケッセルリンギアナ」、優美な紫色の葉の色が楽しめる「パールフォンニュルンブルグ」などがあります。
エケベリアの特徴
エケベリアの一番の特徴は、バラの花にもにたロゼット型に広がった葉の姿です。多肉植物の寄せ植えでは、大輪の花のような外観が映えるので、それを活かしてエケベリアの仲間が主役としてよく用いられています。エケベリアの葉は、品種によって葉の色が緑や褐色、黒、白、青色など変化に富んでいます。
網目のような模様があるもの、また表面に美しく白い粉が吹いた品種もあります。葉はアロエのように肉厚で、効率よく水分をため込むことができる構造になっています。乾燥してくると、葉の表面にしわが寄ったようになりますが、水やりをするともとに戻る性質を持っています。
エケベリアの葉は日によく当たると、晩秋から春にかけてきれいに紅葉します。エケベリアは初春から夏にかけて花芽を短期間のうちに伸ばし、先端に小さな鮮やかな花を咲かせます。花の形は釣鐘のような形で、花の色はピンクやオレンジ、黄色などバラエティに富んでいます。
エケベリアの大きさは品種によってさまざまで、数センチのものから大型のものまで存在しています。同じエケベリアでも種や品種によって、その性質が異なってきます。葉に美しい斑が入っていたり、薄紫などのカラーリーフとよばれるもの、
葉の表面が粉が吹いているものは、そうでないものに比べて変色したり、慎重な育て方が必要なものがあるので、初心者は品種の選択に注意するようにします。ですが基本的に丈夫な植物で、病害虫にも強く育てやすい品種です。
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