タマシャジンの育て方

タマシャジンの育て方

タマシャジンとは西アジアからヨーロッパが原産地のキキョウ科フィテウマ属の多年草です。アルプス山脈などの高山地帯の岩場などを主な生息地としています。フィテウマという属名は、ギリシャ語を語源としています。

育てる環境について

タマシャジンは高山地帯に生息している植物ですが、ある程度の暑さまで耐え、育て方も比較的簡単です。一年中よく日の当たる風通しの良い場所において栽培するようにします。夏場は日差しが強すぎるので、半日陰においてあげるとよいでしょう。

また、多湿を嫌いますので屋外で栽培する際も雨が直接当たらないように雨除けを施すか、鉢を移動させたりして工夫することが重要です。庭植えにすることも出来ますが、管理のしやすさを考えるとプランターや植木鉢で育てる方がお勧めです。

タマシャジンはよく根を張る植物ですので、鉢植えで育てる場合は深めのものを使用するようにします。根詰まりを起こしやすいので、出来れば毎年植えかえてあげるようにしましょう。植え付けは春か秋の時期に、植替えは新芽が出てくる3月頃に行うようにします。

水はけの良い土を好みますので、鹿沼土と軽石砂を等量混ぜたものを使用します。土の乾き具合を見て、腐葉土などで調整してあげるようにしましょう。園芸店などで販売されている山野草用の用土を使用しても構いません。植え替える際は、古くなった用土を軽く3分の1ほど落として、

芽が5ミリほど埋まるようにして新しい用土に植え替えます。その際に株分けも同時にしておきましょう。花が終わるとその内タネをつけるようになります。タネを採取しないのであればそのままにしておくと株が弱ってしまいますので、花茎の部分から切り取っておきましょう。

種付けや水やり、肥料について

タネはあまり出来にくいので、採取する場合は交配してあげましょう。雄しべと雌しべで成熟期が変わりますので、2花以上での交配がお勧めです。無事にタネが採取できたら、そのまま取り蒔きにしてもよいでしょう。また、湿った川砂、もしくはパーライトなどに

混ぜてビニール袋などに入れ、冷蔵庫などで保存しておくことも出来ます。保存したタネは翌年の春3月下旬に蒔いてあげましょう。タマシャジンは生育旺盛で発芽も早めですので、種まきをしたその年にはもう新しい花を咲かせてくれます。水やりには若干注意が必要です。

タマシャジンは乾燥した高山地帯の植物ですので、多湿を嫌います。根腐れの原因になりますので、水のやり過ぎは禁物です。表土が白く乾いたら水を与えるようにしましょう。春と秋には朝方、夏場は夕方に水やりをするようにしましょう。梅雨などで湿度が高い時期は特に控えめにします。

用土が完全に乾ききってから水を与えます。タマシャジンは肥料はあまり必要としません。ただし花が咲き始める頃と、咲き終わる頃はエネルギーを消費していますので、固形肥料を少量与えてあげるとよいでしょう。固形肥料を与える場合は、株に直接当たらないように根本近くに植えこむようにします。

または生育期間中に週に一度くらいの割合で液体肥料を与えても元気な株に育ちます。その際、一般的な希釈濃度よりさらに倍ほど薄めたもので大丈夫です。濃度が濃い肥料だと根腐れを起こすこともありますので注意しましょう。

増やし方や害虫について

タマシャジンは種まきと株分けによって増やします。株の寿命が短いので、出来るだけ種まきか株分けで予備を用意しておくとよいでしょう。発芽率が高く、成長も早いので種まきでも容易に増えます。株分けで増やす場合は、植え替えの際と同時に行うといいでしょう。

出来れば3つ以上新芽が付いているものを選んで、手で丁寧に取り分けます。手で分けることが難しい場合はよく切れるナイフを使って切り分けでも構いません。古い用土を丁寧に落とし、枯れた葉や、痛んでいる根の部分も切り落としておきます。

そのまま用土に植え付け、若干乾燥気味にして日陰で管理するようにします。タマシャジンは根腐れに気をつければ病気にはかかりにくい丈夫な植物です。多湿にはくれぐれも注意しましょう。たまにナメクジ、ヨトウムシ、イモムシなどの害虫がが発生することがあります。

これらは食害を起こしますので見つけ次第早めに駆除しましょう。特にヨトウムシは昼間は見つけにくいので注意が必要です。虫の気配がないのにどんどん食害されている様子が見られる場合はヨトウムシの可能性がありますので、オルトランなどをまいておきましょう。

アブラムシも発生しやすい害虫です。アブラムシは養分を吸って株を弱らせてしまいます。アブラムシ専用の薬剤を使って早めに駆除しましょう。また牛乳を霧吹きで散布すると皮膚呼吸が出来なくなり、窒息してしまいます。トウガラシを煮詰めて作ったエキスを冷まして使用しても効果的です。

タマシャジンの歴史

タマシャジンとは西アジアからヨーロッパが原産地のキキョウ科フィテウマ属の多年草です。アルプス山脈などの高山地帯の岩場などを主な生息地としています。フィテウマという属名は、ギリシャ語を語源としています。フィテウマ属には約50〜60種類あると言われていますが、

一般的にタマシャジンと呼ばれるのはフィテウマ・ショイヒツェリと言われる品種のことを指します。タマシャジンを漢字表記にすると「玉沙参」と書かれます。これは球状の花がシャジンに似ていることからつけられました。「シャジン」というのはツリガネニンジンの漢名のことですが、

実際にはツリガネニンジンとは全く関係のない植物です。フィテウマ・コメットスターや、カンパニュラ・コメットスターという別名もあります。これも流通名で、カンパニュラ属性とは関係がありません。日本に入ってきた時期ははっきりとは分かっていません。

品種は様々で、カンザシのような花を咲かせるフィテウマ・ヘミスフェリクム や、『悪魔の爪』とも呼ばれるフィテウマ・コモースムなどがあります。グロプラリフォリウムは、標高3000メートル以上のところに生息していますので、暑さに弱く、日本での生育にはあまり向いていません。

フィテウマ・ショイヒツェリなどは比較的暑さにもついので、高山植物の割には育てやすい品種です。鉢植えにして育てたり、岩石を配置したロックガーデンなどでお庭のアクセントとして育てるのもよいでしょう。

タマシャジンの特徴

タマシャジンは20センチ〜40センチ程度と、それほど背丈は高くありません。薄緑色の細長い葉をロゼット状に広げて、その中心部から花茎が伸びています。5月下旬から8月頃にその先端に可愛らしい小ぶりの花を咲かせます。色は紫色のものが多いですが、まれに色素の抜けた白い花を咲かせることもあります。

花の形が非常に特徴的で、細長い花茎の先端にチョンと咲かせる球状の花はカンザシのようです。コメットスターという別名からも分かるように、彗星のようにも見えます。葉の色とは対照的に、花は濃い目の色をしていますので、鮮やかなコントラストは非常に目を引きます。

咲き初めの内は蕾は棒状のものが球状に付いているような状態で、馴染み深い花で言えば、シロツメクサやレンゲソウに似ています。しかし暫くすると下の方だけがパカっと裂けて、先端部分はそのまま閉じた状態で開花します。さらにその先端部分には小さな渦巻き状のものが3つほどついており、

非常に可愛らしくなっています。完全に開ききった状態の花は根元の方だけがフワフワと広がって、珍しい形状になります。このユニークな花の咲かせ方がタマシャジンの一番の特徴といえるでしょう。花が終わると先端部分に種をつけます。

その後、花茎部分も枯れてきて休眠期に入ります。タマシャジンは株の寿命が他の植物に比べて短めですので、定期的に種まきなどで株を増やしておくとよいでしょう。種まきから発芽まで早いので、すぐに新しい花を楽しむことが出来ます。

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