ラズベリーの育て方

ラズベリーの育て方

ラズベリーとは、バラ科キイチゴ属に属する果樹のことです。分類上は亜属に属する種類で、フランス語読みでフランボワーズとも呼ばれます。広義ではバラ科キイチゴ属の低木果樹と果実のすべてを指しますが、一般的には、ヨーロッパ産のラズベリーであるヨーロッパキイチゴを意味することがほとんどです。

ラズベリーの育て方の基本

ラズベリーを育てる際、まず決めるのはどの品種を選ぶのか、ということです。ラズベリーにはさまざまな品種があり、基本的に果実の色によって、大きく3つに分けられています。基本となる果実の色は、赤、黒、紫の3つです。

それぞれ赤ラズベリー、黒ラズベリー、紫ラズベリーと呼びますが、日本で一般的に流通している品種は、赤ラズベリーと黒ラズベリーになります。この基本となる3色以外にも、近年、赤ラズベリーの変異種として黄色果実の品種も販売されるようになりました。

比較的寒冷な気候を好む植物ですが、果実の色や品種によってその特性が大きく異なることはありません。夏場に冷涼である気候が最適な環境なので、関東以北が栽培にはもっとも適していますが、西南地方の暖地であっても種付けの場所を工夫したり、鉢栽培するのであれば十分な収量を期待できます。

丈夫で育て方を選ばない品種ですが、鉢植えだと3年ほどで根が回ってしまい実が付きにくくなるので、3年ほどの周期で植え替えすると長く収穫し続けることができます。病害虫に強い品種として知られる通り、対策らしい対策は必要にならないことがほとんどです。

地域によっては稀にマメコガネの葉の食害や、ハダニ類の害が出ることもあります。その場合、株を防虫ネットで覆い成虫の産卵を防ぐ、乾燥しすぎないよう全体に水をかけるなどの工夫が必要です。

ラズベリーの種付けと栽培方法

ラズベリーの育て方のコツは、水はけがよく、半日陰程度の日当たりの場所を選んで種付けすることです。病害虫が付きにくく栽培にも手間がかからない品種ですが、梅雨時などに風通しが悪くなると灰かび病が発生するなど問題が起きるため、種付けの際は、庭植えなら水はけがよく直射日光にさらされない場所を選んで植えつけ、鉢植えなら通気性をよくするために土壌改良を行う必要があります。

ラズベリーの苗は、通信販売や園芸店で購入することができます。季節は秋から早春にかけて、流通するのは株分けやさし木で増やされた1~2年生苗が多く出回ります。茎が太く、根がポリポット内にしっかりと張っているものが丈夫に育つためおすすめです。

休眠期の苗が植えつけにはもっとも適しています。植えつけは極寒期を避け、気温が上がり始めるた3月ごろを目安に行います。暖地の場合は、秋に植えても根の活着がいいので、9月から11月も適期に当たります。

育て方のポイントは用土の作り方にあるといっても過言ではありません。鉢植えにする場合は、直径18センチメートルほどの鉢を用意して、赤玉土、腐葉土、川砂の割合を6:3:1で混ぜ合わせた用土を作るか、ベリー栽培に適したの用土が販売されているので、それを購入して植えつけます。

庭植えにする場合は、まず直径40cm、深さ30cm程度の植え穴を掘ります。用土は、もともとある土、腐葉土、赤玉土、完熟堆肥を5:3:1:1の割合で混ぜ合わせて用意します。

植えつけの際は、ポットから苗を取出し、根が傷まない程度に軽くほぐします。このとき根をいじりすぎると傷がついてしまうため、回復に時間がかかってしまいますが、逆にほぐし方が足りないと、根が新しい土になじみにくくなってしまいます。

ラズベリーの収穫と増やし方

ラズベリーは着果の回数が異なるものがあります。1年に1回収穫できるものを一季なり性、1年に2回収穫できるものを二季なり性と呼びます。収穫期は一季なり性であれば6月から7月にかけての年1回、二季なり性であれば6月から7月にかけて、そして10月から11月にかけての年に2回です。

ラズベリーの実は着果後、一度に成熟するわけではありません。一つの株に完熟した果実から、開花直後の幼果までそろいます。完熟すると赤色、紫色、黒色の品種の別にかかわらず、実が柔らかく熟し、独特の芳香が強くなります。

柔らかく表面が傷みやすい果実なので、雨の日に収穫することはおすすめできません。また、日差しの強い昼間に収穫しても傷みやすくなってしまいます。完熟した果実を収穫するタイミングとしては、天気のいい日の朝、もしくは夕方がベストです。

食味がよく生食に適した果実ですが、小さな種子を含み、日本人にはやや食べなれない口当たりです。病害虫に強く農薬を散布する必要もほとんどない果樹なので、収穫したものをそのまま加工するなどして楽しむことがおすすめです。

洋菓子の飾りつけとして使用すれば見た目にも美しくなりますし、ジャムやドライフルーツなどに加工すれば、日持ちのするおいしい保存食としても楽しむことができます。収穫後は4月から5月にかけて、たくさんのサッカーが出てきます。

つけ根から切り取って採取し、新しい鉢に植えつけるだけで容易に繁殖させることが可能です。ただし、出芽して間もない時期に根を切るとすぐに萎れてしまうため、採取したらすぐに水に浸けておく必要があります。

ラズベリーの歴史

ラズベリーとは、バラ科キイチゴ属に属する果樹のことです。分類上は亜属に属する種類で、フランス語読みでフランボワーズとも呼ばれます。広義ではバラ科キイチゴ属の低木果樹と果実のすべてを指しますが、一般的には、ヨーロッパ産のラズベリーであるヨーロッパキイチゴを意味することがほとんどです。

ラズベリーの生息地は世界各地に広がっており、甘みと酸味のバランスが良くおいしい果実が実ることから、古くから食用に利用されてきました。特にヨーロッパで好んで食べられ、ヨーロッパ原産の品種や、ヨーロッパから北米大陸に進出した人々が北米大陸原産の野生種を交配、品種改良を重ねてきた歴史があります。

現在の果樹として栽培される品種の数々は、こうした背景から生まれました。栽培化されたのは16世紀から17世紀ごろにかけてのイギリスとされています。最も古い栽培の記録は1548年で、18世紀後半には、大規模な栽培にこそ至りませんでしたが、複数の品種が北米に導入されました。19世紀になると北米の種が本格的に交配、栽培され始めました。

ラズベリーの特徴

ラズベリーは低木性の落葉果樹です。果実は鮮やかな赤色、紫色、黒紫色、黄色、オレンジ色など品種ごとに特徴があります。直径約1センチメートルから2センチメートルほどに育ち、風味、甘味、酸味のバランスに優れているため生食にも適していますが、ジャムや洋菓子、ハーブティー、リキュールなどに加工されることも多くあります。

果実は小さな球形の実がいくつもより合わさった形状をしていて、一粒一粒に種子があります。生食の場合、小さな種子はそのまま食べることが一般的ですが、若干口当たりを損なう可能性があります。

日本では店頭に生食用のラズベリーが、ほかの果物同様に並ぶことはほとんどありません。日本で目にすることが多いのは、ジャムやシロップ漬けの缶詰、加工前の果実を冷凍したものが主流です。

それ以外ではケーキの飾りつけなどに利用されます。店頭で購入する場合、その大部分は輸入品に占められていますが、ラズベリーは病害虫に強く、家庭でも栽培しやすい果樹の一つですので、園芸やガーデニングによって容易に栽培することができます。

収穫できるまで育てることも難しくはありません。庭植えだけでなく、鉢植えでも順調に育てることができます。栽培期間も短く、1年もすれば果実を収穫することができるので、自家栽培向けの果樹といえます。

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