ソヨゴの育て方

ソヨゴの育て方

ソヨゴはモチノキ科モチノキ属の常緑小高木です。原産地は日本、及び中国、台湾のアジア圏になります。背丈は1.5〜3メートルほどです。大きなものでは10メートルを超えるものもありますが、生育が遅いので30年でも2メートルほどしか成長しません。

ソヨゴの育てる環境について

ソヨゴは庭植えでも鉢植えでも栽培でき、育て方も簡単なので初心者にもお勧めです。関東地方以西を主な生息地としていますので、暖かい気候を好みます。西日が当たらない程度の明るい日向〜半日陰に植えてあげましょう。真夏などに強い直射日光などを浴びてしまうと、

葉焼けを起こすことがありますので、遮光してあげるようにします。根をあまり張らないので強風で倒れてしまうことがあります。頻繁に台風が来る地域で育てる場合は、支柱を立てるか、ブロック塀など風を遮られる場所に植え付ける方がよいでしょう。

または、倒れない程度の高さに仕立てておくのもお勧めです。耐寒性があるので、冬の間も防寒をして上げる必要はありません。植え付けの適期は4月〜5月上旬です。水はけの良い肥沃な土壌を好みます。鉢植えで育てる場合は赤玉土に完熟腐葉などを等量混ぜあわせたものを使用するとよいでしょう。

庭植えにする場合はも植え付ける前に水はけの良い状態にしておくことをお勧めします。粘土質の土壌の場合は赤玉土や腐葉土を混ぜ込んでよく耕しておきましょう。元肥として有機質肥料などを敷き、その上に土を盛り、高植えにしておきます。肥料と根が触れ合うと腐ってしまうこともあるので注意が必要です。

成長が遅いので、剪定もあまり必要がありません。放っておいても自然に樹形が整っていくので、たまに間引いてあげる程度で大丈夫です。大きな木に仕立てたくない場合は、木の頂点の成長点を適宜切ってあげると成長が抑えられます。

ソヨゴの種付けや水やり、肥料について

ソヨゴは過度の乾燥を嫌います。鉢植えでも庭植えでも、植え付けて最初の2年未満は、用土が乾いたらたっぷりと水を与えるようにします。横に根を張るタイプなので、鉢植えで育てている場合は水切れを起こしやすくなります。落葉が多くなってきたら水切れの可能性が高いので、たっぷりと水を与えて下さい。

日当たりが強すぎる場合も葉を落としやすくなるので、真夏は半日陰に置くとよいでしょう。庭植えで2年以上経過した木であれば、普段の雨だけで十分ですので、特に水やりをする必要はありません。ただし、あまり日照りが続くようでしたら適宜水を与えましょう。

元肥を十分に施しておけば、追肥はあまり必要としません。与えるならば、2月頃寒肥として堆肥や油かすなど有機質肥料を株元に埋めてあげるとよいでしょう。直接根に触れないように、周りに軽く穴を掘ってから、そこに追肥するようにしましょう。

鉢植えであれば3月頃に化成肥料を与える程度で十分です。11月〜12月頃に、完熟した実から種を採取することが出来ます。指先で実を潰しながら流水で流しながら種を取り出します。湿らせた砂に混ぜて、ビニール袋に入れ、冷蔵庫の中で保管しておきましょう。

翌年の3月〜4月頃に再び取り出し、一度綺麗に洗ってから蒔きます。実生で育てる場合、成長までかなりの年月を要します。しかも花が咲くまで雌雄どちらの株か分かりません。最初の内は、ある程度育って雌雄のはっきりした樹木を購入する方がお勧めです。

ソヨゴの増やし方や害虫について

種まきで育てる以外では接ぎ木によって増やすことが出来ます。ソヨゴの場合は「切り接ぎ」を行うのが一般的です。土台になる台木と、それに接ぐための穂木を作ります。よく切れる刃物で、台木の地面から4〜8センチくらいの部分を水平に切断します。

凹凸のない部分を選び、刃物で斜めに削って形成層を露出させ、そこから縦に2センチほど切り口をつけておきましょう。穂木の方は2芽ほど出ているものを使用します。台木と同様、刃物で斜めに削って形成層を露出させ、その反対側を鉛筆削りの要領で斜めに削り落としておきます。

台木と穂木の切り口がぴったりと合うようにするのがポイントです。切り口同士を合わせたら、接いだ部分は接ぎ木テープで隙間が開かないようにしっかりと固定し、乾燥しないように株ごと大きなビニール袋を被せて管理します。ときおりカイガラムシが発生することがあります。

カイガラムシには薬剤が効きにくいので、発生しているのを見つけたら、歯ブラシやウェットティッシュ、竹べらなどを使ってそぎ落としてあげましょう。また新芽が出る頃にはイモムシがつくこともあります。葉を食べてしまいますので、見つけ次第駆除してあげるようにしましょう。

また、すす病にかかることもあります。すす病にかかると光合成にも影響が出て成長を阻害してしまうので早めに対処することが重要です。植物の汁を吸う害虫の排泄物が原因になることが多いので、オルトランなどを使って殺虫しておくと効果的です。

ソヨゴの歴史

ソヨゴはモチノキ科モチノキ属の常緑小高木です。原産地は日本、及び中国、台湾のアジア圏になります。背丈は1.5〜3メートルほどです。大きなものでは10メートルを超えるものもありますが、生育が遅いので30年でも2メートルほどしか成長しません。

大きめの木が欲しい場合は、あらかじめある程度の高さがあるものを購入するようにしましょう。ソヨゴの木はスラリとまっすぐに伸びて、見た目も非常に美しいので、お庭のシンボルツリーとして人気があります。よく、病院や店舗のエントランスに飾られていたり、公園などに植樹されていたりします。

5〜6月頃には小さな白い花をつけますが、繊細で上品な花です。また、さくらんぼのような可愛らしい赤い実もつけるので、華やかな印象があります。ソヨゴの名前の由来は、葉が風に吹かれてそよそよとそよぐ様子からつけられたと言われています。

その名の通りソヨゴの葉は厚みがあり、触感はカサカサとしており、触れ合うと独特の音を奏でます。また別名を「ふくらしば」とも言います。これはソヨゴの葉を炎の中に入れたりして加熱すると、葉の中の水蒸気が沸騰し、膨らんで破裂することから名付けられました。

ソヨゴの木材は硬くて丈夫なため、昔からソロバンの珠や櫛などに加工されてきました。特に大判のソロバンの珠に使われることが多いようです。また、葉にはタンニンを多く含んでいますので、褐色の染料としても使用されている植物です。

ソヨゴの特徴

ソヨゴの特徴はやはりなんといっても見た目の美しさにあります。幹は灰褐色で凹凸が少なく、なめらかな触り心地です。成長が遅いので、まめに剪定をして上げる必要もなく、手入れも楽なのでおすすめの樹木です。葉は4〜8センチほどの長さがあり、

卵の先端が尖ったような形をしています。大きく波打っているのも特徴的です。常緑樹のため、一年中緑を楽しめるので重宝されています。6月頃には小さな白い花が咲きます。全体の大きさに比べて花は非常に小さいためあまり目立ちませんが、純白でとても可憐な花です。

この小さな花からは高品質の蜂蜜も採取されます。ほのかに花の香りがするソヨゴの蜂蜜は、コクがあって爽やかな甘みがあります。花が終わり、10〜11月頃になると、今度は小さな赤い実をつけます。1センチほどの大きさしかなく、数もそれほど実らないのですが、

緑の葉と赤い実のコントラストは非常に美しく、見応えがあります。ソヨゴは雌雄異花の植物ですので、実をつけるのは雌株だけになります。もし実をつけたければ、雌株の方を選んで植えるようにしましょう。それでも近くに雄株がなければ実がならない場合もありますので、

確実に実をつけようとするならば近くに雄株も植えておくようにします。観賞価値が高く、日本庭園のような和風の庭にも、洋風の庭にもどちらにもピッタリとマッチしてくれるのも嬉しいポイントです。刈り込み方などでもイメージを変えられるので、全体のバランスを見ながらアレンジしていくのもいいかもしれません。

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