ツルムラサキの育て方

種付けと植え付け
ツルムラサキは、種付けをして育てることもできますし、苗を購入して植えることもできます。種付けをするのに適した時期は、4月中旬から5月くらいです。その方法ですが、まず、一晩くらい水につけておきます。そして、1ヶ所に2粒から3粒位をまきます。これは発芽しないリスクを抑えるためのもので、1粒だと発芽しない部分ができてしまう可能性があるからです。
発芽したのであれば、そのうちの1つのみを残すように間引きします。種付けではなくて苗を購入するほうが育てやすいでしょう。ポット苗などが販売されていますから、これを購入して植え付けるのも良い方法です。この場合の適した時期ですが、だいたい5月頃です。この時期に植え付ければ、夏頃には収穫ができるようになります。
育てる場所についてですが、地植えも可能ですしプランターで栽培することも可能です。苦土石灰を先に混ぜ込んでおくと良いでしょう。ツルが伸びることができるように支柱などを用いると良いのですが、そうなると別の場所に移すことはできませんから、場所を良く選んでおくことは必要です。プランターなら移動できますが、地植えの場合には場所を動かすことができませんから、特に注意しなければなりません。
育て方と注意するポイント
ツルムラサキは日当たりの良い場所を好みます。地植えする場合でもプランターで育てる場合でも、日当たりの良い場所で、風通しの良い場所を選ぶのが良いです。水をやるときの頻度ですが、土の表面が乾けばたっぷりと水をやるようにしましょう。発芽してからしばらくの間はあまり育たないように感じるかも知れませんが、これは特に問題はありません。
夏になると成長は早くなりますから、あまり心配しすぎないでも良いです。栽培がうまくいっていれば大きな葉をつけるようになります。大きな葉がつくような育て方がベストで、収穫もしやすくなりますし成長も早くなりますが、大きな葉がつかずにツルばかりが伸びてしまうと言うこともあります。この場合、切り戻しの作業を行うのが良いです。
大きな葉がついているところまでツルを切り戻すと、しばらくすると新たにツルが伸びるとともに大きな葉がつくようになります。大きくなってくれば収穫をすれば良いのですが、あまりにも収穫しすぎると弱ってしまいます。育て方が良くても収穫の仕方が悪いとあまり多くを収穫できなくなりますから注意が必要です。
収穫をするときには先端の部分の15センチから20センチくらいまでにしておきましょう。それよりも根っこに近い部分は食用に適していません。先っぽの柔らかい部分だけが食用になります。肉厚の葉がついている部分をおいしく食べることができるでしょう。種付けや植え付けをするときには肥料をやりますが、その後、収穫するまでは肥料は必要ありません。
7月くらいから収穫できるくらいにまで育つと思いますが、この時期には追肥を行うのが良いです。追肥を行って水をたっぷりやっておけば、一度収穫してもすぐに育って、再び収穫できるようになるでしょう。新芽に虫がつくことがあります。特にアブラムシが良く発生します。観賞用の場合には一般の薬剤でも良いのですが、食用にする場合には食用として用いることのできる薬剤を用いなければならないという点に注意しましょう。
ツルムラサキの増やし方と仕立て方
ツルムラサキはツルで伸びていく植物ですから、うまく巻くことができるように支柱を立てます。カーテンのようにすれば日よけのようなそだてかたができます。たとえばマンションのベランダにも適しています。プランターに入れてベランダで育てれば、支柱に巻き付いて大きく育ちます。カーテンのようにするときには、ネットを使いたいと思う人も多いでしょう。
他の植物ではネットを使うこともありますが、ツルムラサキの育て方には適していません。というのも、ネットのような細いものにはうまく巻き付かないことが多いからです。ですから、栽培するときには支柱を立てるようにしたほうが良いです。育ちはじめの頃は1つの株に1本の支柱で良いです。栽培がうまくいくと、茂ってきますが、そのままにしておくとすでにできたツルの上に、さらに巻き付いてしまいます。
そうなると生育が悪くなってしまいます。ある程度茂ってくれば支柱を増やしていくのが良いです。また、日よけに用いる他の植物と比べると、葉はやや小ぶりです。ですから、日よけに用いようと思った場合、間隔を狭くして植える方が効果的です。増やし方についてですが、成長力が高いために、さし芽で増やすこともできます。
また、ツルが地面につくとそこから芽が生えてくることもありますから、そこで切り分けて増やしていくこともできます。ただし、一年草であることに注意が必要です。一年草ですから、冬を越すことはできません。ですから、翌年は種から植えるか、あるいはポット苗から植えなければなりません。
ツルムラサキの歴史
ツルムラサキがどこに自生していたのかというのは、詳しくは分かっていないのですが、熱帯地域が原産だろうと考えられています。おそらく東南アジアを生息地としていたものが日本へ入ってきたと考えられています。かつてはインドやマレーシア、ベトナムなどで食用と用いられていたものが中国へと渡り、そして中国南部でも食用として用いられていました。
中国では落葵と呼ばれていたそうです。そして、中国から日本へと伝えられたものだと考えられています。日本の文献としては平安時代のに書かれた本草和名という書物に登場します。このときには「からあおい」と呼ばれていたそうです。
唐の葵という意味で用いられていたそうです。書物に登場しただけで、それが食用として用いられていたのかどうかは不明で、この時点で日本で栽培されていたのかも現在のところは分かっていませんが、少なく知子の時点で日本人は知っていたと言うことは分かっています。
ツルムラサキの特徴
ツルムラサキは主に食用として用いられてきました。ホウレンソウなどと同じように加熱して調理をすることが多いのですが、加熱すると独特のヌメリが生じるという特徴があります。ちょうどモロヘイヤのようなヌメリがあります。といくつかの品種がありますが、それらは茎の色で大きく二つにわけられます。
茎の色は緑色のものと紫色のものとがあります。葉は肉厚で、食べるのに適していると言えるでしょう。食用として用いる場合、茎の色が紫色のものよりも緑色のものの方が良いと言われることが多いです。そのために、日本で流通しているもののほとんどは茎の色が緑色のものです。
中国では茎の色が紫のものが用いられることが多く、炒めて調理をすると赤色の汁が出るという特徴もあります。日本で料理に用いられるときには、ホウレンソウと同じようにおひたしとして用いたり、あるいは味噌汁にいれたりすることが多いです。薬味としても用いられることがあります。ホウレンソウよりも栄養価が高いと言うこともあって、食用として用いることができます。
日本でも食用として栽培されています。最近では血糖値上昇抑制の活性がある物質が含まれていると言うこともあって、薬用食物として認められつつあると言えるでしょう。日本で栽培されている地域としては、宮城県や福島県山形県などの東方口法が中心で、他には埼玉県でも栽培されて日本全国に出荷されています。観賞用としてはツルを育ててカーテンのようにするときれいになります。
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