シャリンバイの育て方

育てる環境について
シャリンバイを育てる環境は、自生している場所をイメージするとわかりやすいです。日本の海岸沿いに生える植物ですから、まず日当たりの良い場所を好みます。日当たりが少し悪くても枯れませんが、あまり良い形にはなりません。日当たりが悪いと枝が伸びてしまい、木全体の形が良くなりません。
剪定によって整えるのにも限界がありますから、できるだけ日当たりの良い場所を選ぶべきでしょう。直射日光が当たって葉が焼けると言ったことはあまりありませんが、直射日光によって関すしすぎると傷むことがありますから注意が必要です。
株元の土壌まで直射日光があって熱くなる場合には、敷き藁をするなどして極度の乾燥から守ると良いです。株が育ってくると自然に覆われて株元に直射日光が当たらなくなります。様子を見て調整していきましょう。土壌については、水はけが良ければ他に問題はありません。
砂質で肥沃な土が最も適しています。海沿いに育つ植物と言うこともあって、潮風には強い傾向があります。地植えするのも良いですし、鉢植えをするのも良いです。地植えの場合、土壌はそれほど選びません。日当たりの良い場所に植え付けてやれば、
日本の気候ならたいていは元気に育ちますから、あまり気にする必要はないでしょう。鉢植えで育てる場合には水はけが良ければ問題はありません。赤玉土と中心として、腐葉土を加えるくらいで良いでしょう。市販されている培養用の土でもかまいません。
種付けや水やり、肥料について
シャリンバイはどちらかというと暖かい気候を好む植物です。ですから、植え付けは暖かくなってからの3月から4月、あるいは寒くなる前の9月から10月くらいがベストです。大きくなりすぎると移植することによって弱ることがありますから注意が必要です。
おおむね8年くらい経つと、移植できないと思っておいた方が良いでしょう。また、シャリンバイはどちらかというと根の数が多くはありません。小さめの苗を植え付けるときであっても、植え付けをするときに根を折ってしまわないように注意します。
土をあまり選びませんが、水はけが良くて砂質の土壌に植えると良いです。また、肥沃な土壌を好みますから、腐葉土や堆肥をすき込んでおくと良いです。ある程度育ってくるまでは水やりをこまめに行います。土の表面が乾いたら水を与えていくと良いです。
鉢植えの場合にはずっと水やりをしなければなりませんが、庭植えの場合には最初の内だけで良いです。植え付けて2年くらいの間はずっと水やりが必要となります。大きな株を植えたのであれば、もう少し短くてもかまいません。根が張れば水やりをしなくてもよく育ちます。
肥料は、原肥として腐葉土や堆肥を与えておきます。育っているときには肥料は必要なく、2月頃に肥料を与えると良いです。2月頃に、株ものと周辺に有機肥料を埋めておくと良いです。穴を掘って埋めることができない場合には、株元に有機肥料を置いておくくらいで良いでしょう。
増やし方や害虫について
シャリンバイは苗で買ってきて植えるのが一般的ですが、すでに植わっているものを増やすこともできます。その方法の一つとして挿し木があります。挿し木を行うのに適した時期は6月頃です。新しく生長した枝を10センチくらい切り取ります。
そして、水揚げをした後に、清潔な土壌に挿して水をたっぷりと与えます。細かめの赤玉土を用いると良いでしょう。その後は透明のビニール袋で密閉して湿度を保っておくと良いです。根が出てくれば植え替えることができます。タネで増やすことも可能です。
咲いた花をそのままにしておくと、11月から12月くらいには実が完熟します。実には果実がついていますから、まず果実をすべて潰し、流水で洗って中の種だけを取り出します。植えるのは翌年の3月から4月です。それまでは乾燥してしまわないように、
少し湿った砂に入れてビニール袋に密閉し、冷蔵庫で保存しておくと良いです。春になってからもう一度洗って蒔きます。シャリンバイはすすなることがあります。すす病はカイガラムシやアブラムシによって引き起こされる病気です。カイガラムシやアブラムシが直接的に害を与えることもあります。
見た目が悪いと言うことも大きな問題の一つですが、光合成をしにくくなって木が弱ることもあります。見つけ次第、かき落とすのが良いです。その際には樹皮を炒めないようにしなければなりません。アブラムシもカイガラムシも、できるだけ早く見つけて対処することが必要です。
シャリンバイの歴史
シャリンバイの名前の由来は、葉の生え方によります。多くの場合には枝先に葉が集中して作られる傾向があります。そして、それが放射状に出ることから、車輪のように見えます。このことと、花が梅に似ていることなどからシャリンバイと言われるようになりました。
歴史的に見れば、大島紬の染料として古くから使われてきました。鹿児島県の南方の奄美大島では、「ティーチギ」と呼ばれ、染料に用いられてきました。日本では最近になって色々なところに植えられるようになってきたと言えるでしょう。
たとえば、道路脇の低木として植栽されることが多いです。このようにして用いられるようになってから長い時間が経っていますから、多くの人はシャリンバイについて知らなくてもみたことがあるでしょう。道路などに植えられる理由は、大気汚染などに強い特徴があるからです。
空気の悪いところでも育ちますし、少し乾燥したくらいで枯れることはないために、道路の植え込みなどに用いられることが多いです。元々の生息地は東アジア地域で、日本や韓国、台湾などの海岸近くに生息しています。現在日本で植えられているものの原産は日本です。
日本の気候に合うように育ってきたために、日本の気候には強いです。栽培する場合でも、日本の気候では良く育ちますから、育て方はそれほど難しくはありません。変種がいくつかありますが、積極的に品種改良されたのではなく、どちらかというと自然に生まれた品種だと考えられます。
シャリンバイの特徴
常緑の植物で、低木となるものが多いです。日本では暖かい地域ではもちろん育ちますが、宮城県や山形県くらいまでなら育つことができます。どちらかというと海岸や海岸に近い山地に生えます。植え込みとして用いられているものは1メートルくらいに小さく刈り込まれているものが多いですが、
4メートルくらいにまで育つものもあります。枝には軟毛があって、葉は互生します。花は1センチから1.5センチくらいで、白い花をたくさんつけます。葉の先端がぎざぎざののこぎり状になっているのが普通ですが、そうではないものを「マルバシャリンバイ」と呼んで区別することもありますが、
種としてみた場合には同じ種に属する植物です。花は枝先から円錐花序で咲きます。つまり、下の方になるほど枝分かれの回数が大きくなり、全体的に見れば円錐形になります。自然の状態では白い花びらをつけますが、園芸品種の中には赤い色を帯びたものもあります。
開花時期は4月から6月です。初夏に楽しめる植物です。タチシャリンバイや、ハナモッコクという別名もあります。日本の気候に合っていることもあって、育てやすいという特徴があります。挿し木などで増えることを考えれば、
日本の気候に合っていることが分かるでしょう。枝や根を煎じることによってタンニンという物質を抽出できます。このタンニンが染色のために最も重要な物質で、大島紬で染色に用いられるのはこのタンニンがあるからです。
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