プチアスターの育て方

プチアスターの育て方

キク科カリステフ属のプチアスターというこの花は、中国北部やシベリアを原産国とし1731年頃に世界に渡ったと言われております。最初は中国からフランスのパリへと種が渡り何度も育種改良されヨーロッパや欧米などにも渡来し、日本には江戸時代の中期にやって来ました。

育てる環境について

育て方としては、寒くて湿気の少ない場所での生育に適しています。夏に咲く花なので、暑さに強いと勘違いされやすいのですが原産国が中国北部のこの花は、生息地も北半球など寒い地域です。湿度が高い暖地だとどうしても立ち枯れ病などの病気にかかりやすい様です。しかし日光は大好きで、育つ環境の第一条件に日当たりの良さが挙がります。

日照不足だと弱ってしまい、茎が貧弱に育ち倒れやすくなったり枯れてしまいます。風通しの良さも欠かせない条件で、風通しが悪いと必然的に湿度も高くなり根腐れを起こしやすくなります。最初から充分な感覚を取り、株と株との間を新鮮な空気が流れる状態に保ちましょう。

葉っぱも生い繁る植物ですので、葉が増えすぎる時は少しちぎって陽がバランス良く当たるように、風通しが上手くいくよう心掛けましょう。そして忘れてはならないのが、霜に弱いという事です。霜の心配がない地域では秋に種を蒔いて夏に咲かせる早咲き方法という事も出来ます。しかし春に種を蒔いて夏に咲かせた方が病気にもかかりにくく、

手入れも短期間に集中して出来るのでオススメです。寒い地域出身だから暖地が苦手なのは理解できますが、霜にも苦手なのかと少々ワガママにも感じますがそれだけ繊細でデリケートな花という事でしょう。とは言っても、切り花の中では初心者でも栽培しやすい花です。多湿高温にならない環境と、霜に当てない為に春に種を蒔き、日当たりと風通しに配慮すれば丈夫に育ちます。

種付けや水やり、肥料について

プチアスターは、酸性の土を好みません。よって花壇用の土は予め石灰を混ぜて中和させておきましょう。段取りとしては、二週間位前に石灰を混ぜ緩効性肥料も少し混ぜて程よい土を作って置きます。鉢植えやプランターでは、水はけを良くする為に赤玉土と腐葉土を6対4~7対3の割合で配合し用土を作ります。

種付けは、発芽適温が15℃?20℃の桜が開花する時期が良いでしょう。花壇も鉢植えも重ならないようにパラパラと蒔き、軽く土を被せて最初はたっぷり目に水を与えます。水やりは、株になるまでたっぷり目にあげ成長につれ水の量を減らしてあげましょう。蕾がつく頃には、水の量を極力減らし乾燥気味の状態をキープします。

初めてトライする時は、ビニールポットに一つずつ種を蒔いて、株になるまで育て移植するという方法の方が確実でしょう。続いて水のやり方が重要なのですが、土に注ぐ様に優しくあげ決して上からかけないようにしましょう。小輪の繊細なお花ですので、水さえも刺激になる様です。本葉が4~5枚出始めたら間引きのタイミングです。

株と株の間が15センチ位の間隔が取れるように間引きましょう。鉢では6号鉢に一株が理想です。また間引いた株はビニールポットに移したり、他の場所に植えるなど移植してあげるといいでしょう。そして肥料ですが、月に一回化成肥料を株の根元にあげるのがオススメです。葉の色が薄いと感じたら液肥を週に一回与えると良いでしょう。

増やし方や害虫について

害虫被害にとてもあいやすい植物です。特に多いのは、アブラムシとウリバエでしょう。アブラムシは、オルトランやオレートなどの浸透移行性の強い殺虫剤が効きます。そして一番厄介なのが、ウリバエです。別名ウリハムシとも呼ばれるこの害虫はオレンジ色の小さな虫です。葉っぱや花を食べてしまいます。

やっと付いた蕾も食べてしまうとても憎い存在です。この虫にはオフナック剤という殺虫剤が一番の特効薬でしょう。この殺虫剤はありとあらゆる害虫に効果があり、プチアスターはバッタの食害にもあいやすいので被害を確認したら早めに散布しましょう。また病気で気をつけるのは立ち枯れ病です。

この病気にかかってしまったら対処しようがありませんので、処分するしかありません。なので、この病気にかからない様にするしか手立てはありません。原因としては、高温多湿の環境と連作障害からの栄養不足が考えられます。連作障害を起こさないよう、同じ場所に植える時は五年以上あげましょう。

最後に増やし方ですが、株の古根を切って鉢に植えるのが一般的です。他には、茎を5㎝~8㎝程切り赤玉土に挿して増やす方法もあります。その際は、下の方に生えている余分な葉っぱはもぎとり茎だけが土に埋まる様に植えます。

連作障害を嫌いますので、植える際はアスターを五年以上植えてない所に植える様にしましょう。鉢やプランターなども一からリセットするつもりで、用土からの栄養が充分行き渡るように配慮すれば確実に増やせます。

プチアスターの歴史

キク科カリステフ属のプチアスターというこの花は、中国北部やシベリアを原産国とし1731年頃に世界に渡ったと言われております。最初は中国からフランスのパリへと種が渡り何度も育種改良されヨーロッパや欧米などにも渡来し、日本には江戸時代の中期にやって来ました。

最初はアスター属としてまとめられていましたが宿根アスターと間違えやすいので、カリステフ属に分けられます。日本名では総称してエゾギクと呼ぶ昔から親しみ深い花です。お盆の時期に咲く花とあって、昔から仏壇にお供えする花として重宝されています。この花の見頃は夏至を過ぎた頃からお盆にかけてです。

そして気になるこの花の名の由来ですが、諸説あるものの一番有力なのは、花の形が「星」の様な形に由来しています。種類により一重咲きや二重咲き、ポンポン咲きなどありますがどれも小ぶりな可愛らしいお花です。中には「美しい冠」という意味が込められているという説もあります。

どちらにせよ、白や赤ピンクなど豊富な色とデザインで観る人を花の美しい世界へと誘ってくれる素敵な花です。カリステフ属全体に付けられている、花言葉は「追憶」「同感」や「変化」「信じる恋」というなんともロマンチックな言葉が並びます。

色によっても変わりますが、中国で野生種としてよく見かける紫色のプチアスターは、「恋の勝利」という花言葉があるそうです。現代では花をちぎって占う花占いと言えばマーガレットがメジャーですが、昔はこの花が花占いに使われたそうです。

プチアスターの特徴

半耐寒性の一年草であるプチアスターは、夏に咲く花で切り花としてよく活用されています。珍しい特徴としては、連作障害を起こしやすく同じ場所に五年は咲かないという特徴を持っています。ここまで連作障害を起こしやすい植物は珍しく、理由は用土の栄養分にある様です。茎は直立しており、うっすら白い毛に覆われています。

花茎は3㎝~5㎝程の小輪で可愛らしい姿をしていて、色鮮やかでカラーバリエーションは豊富です。元々エゾギクの野生種は中心が黄色で紫色の花びらでしたが、品種改良されて今の様な色彩豊かで華やかさの増す形となりました。よって現在では仏壇やお墓へのお供え用としてだけではなく、フラワーアレンジメントや花束などに用途の幅が広がってきています。

よく間違えられやすい品種が「宿根アスター」という種類です。これも同じキク科なので近親種ではありますが、全くの別モノです。宿根アスターは名前の通り、茎と葉が枯れても根っこは生き残り毎年生長する植物です。ここが一年草のプチアスターとの大きな違いで、園芸で指すアスターとはこのカリステフ属のアスターの事を言います。

見た目は花数のボリュームなどが違います。宿根アスターは、野原一面に咲かせる事も多く道端などで見かけるのはこのタイプが多いでしょう。花びらも宿根アスターは少な目で小菊のような花姿で、プチアスターの方は花びらも細くて多く、造花で見かけるのもこちらをイメージしたものが多いです。

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