ディオスコレアの育て方
育てる環境について
ディオスコレア・エレファンティペスの育てる環境としては、南アフリカ一帯を原産とし、生息場所として半砂漠地帯であることから、日当たりの良い環境を好む性質を持っています。日差しの強い原産地同様、直射日光が当たる環境で育ててしまいがちですが、塊根は半分が地中に埋まっているために日差しに当て過ぎることで風化させる要因となるため、
西日や夏時期は直射日光が当たらない場所で育てるのが適しています。さらに生息地が丘陵の斜面でもあり、水はけの良い土壌環境を好むのもディオスコレア・エレファンティペスの特徴であり、日光も重要ですが同じく通気性も重要であり、原産地では斜面の温度が高めであっても風が穏やかに吹き通る環境下であり、育てやすいのが特徴であるため、
風通しの良い場所が適しています。成長期と言われる10月上旬から4月頃までは明るい場所で育成や管理を行い、地上に露出する塊根が直接日に当たらないための日除けシート、または伸びるツルや葉っぱを利用して塊根を覆いながら育てるのが適しています。秋からの季節に成長を遂げる冬型の塊根植物であるものの、
冬の冷たい風が当たる環境下で管理してしまうことにより葉っぱが枯れ込むことがあるため、鉢植えで育てる場合には軒下または室内で管理するのが最適であり、露地植えでは風避け対策も必要です。さらに成長期と異なり、夏の時期はディオスコレアは休眠期に入っているため、塊根を休ませるために風通しの良い環境で育てることが後々の葉の付きに関与してきます。
種付けや水やり、肥料について
ディオスコレアは多年草であるため、長きに渡り観賞を楽しめる植物でもあり、種から育て上げますが、長い年月が掛かるために一般的には園芸店において株を購入した後、植え付けを行います。種子を採取するということは当然ながら花が咲くわけであり、雄株と雌株が別の株になる植物でもあり、
花の直径は約5mm程度で10個から15個が1房に咲くのが特徴で、種子から育てて塊根にヒビ割れが出るまでに3年程度を要します。南アフリカが原産地であり、その水やり法としては生育過程で異なってきます。ディオスコレアは冬型種であるものの、他の冬型塊根植物よりも目覚めが早く、晩夏にツルを伸ばすために徐々に水やりを開始する必要があります。
断水時期があるため、1度に大量の水を吸収させることによって根腐れを起こしやすくなるため、涼しい時間帯となる朝または夕方に適度な水やりから始め、成長期となる初春にかけては土の表面が乾いてからたっぷりと水を与えます。逆に春から初夏にかけては休眠期に入るため、葉が落ち始めた頃から完全に水を与えない断水を行います。
成長がゆっくりですが、鉢が窮屈になった場合には1回り大きな鉢に植え替えを9月頃に行うのが適期で目安です。用土は多肉植物また草花用など、水はけの良い土が適しており、醗酵した有機質などの緩効性肥料を少量混ぜ合わせることも育成に最適です。成長期となる秋から春にかけて微量元素が不足しない程度に薄めた液体肥料も与えます。
増やし方や害虫について
ディオスコレア・エレファンティペスは多年草でもあるため、増やして観賞を楽しむことが可能です。上記で述べた通りに種から増やすことが可能であるものの、雌株と雄株の異株であるために栽培初心者が増やすには難しい植物でもあり、雄株と雌株の開花時期を揃えて交配させるには植物の交配経験また育て方の知識がある場合、種から増やすことができ、交配にも失敗しない増やし方です。
さらにイモ科でもあり、病害虫も気になる点です。夏の時期は休眠期となるため、塊根自体は生育途中となり、根腐れを起こさせない湿度管理でカビ病を予防することが可能です。花が咲くことにより、甘い香りを放つためにアブラムシをはじめ、センチュウ類やナガノイモに付く蛾の被害も増えてしまいます。アブラムシは新芽に被害を出す害虫であり、
成虫と幼虫の集団が付く場合にはアブラムシ専用となる殺虫剤を散布することが適しています。さらに葉っぱに加害を与えるのが蛾であり、食害されやすい新芽は変色してしまうなどの観賞に影響を与えてしまいやすいため、幼虫を発見した際には速やかに処理する必要があります。
さらに予防として、多くの害虫はギラギラした光を苦手とするため、アルミシートを土壌に覆いかぶせることにより、害虫を寄せ付けない対策が手軽に行える魅力があります。もちろん、種から増やす際も同様で、雄株と雌株では花付きなども異なるために害虫の付き方も多少異なるため、管理する場合において害虫予防となる通気性の高い専用シートをかぶせて管理します。
ディオスコレアの歴史
観葉植物として栽培され、日本でも人気を集めているのがディオスコレアであり、特に普及しているのがディオスコレアエレファンティペスで、原産地は南アフリカであり、西ケープ州から東ケープ州にかけたアフリカ大陸一帯が原産地となっており、その姿形から日本においても亀甲竜という和名で親しまれています。
属名はDioscoridesであり、植物と薬物学者でもあるペダニウスディオスコリデスの名から付けられた歴史が存在しています。生息地としてはアフリカ大陸の半砂漠地帯の石などが多い丘陵の斜面が生息地であり、その他、疎林のブッシュ下も生息地になっています。日本においても亀甲竜という和名で親しまれており、塊根の半分は地中に埋まっていますが半分は露出しており、
その塊根が亀の甲羅のような姿形をした塊根植物です。このディオスコレアの歴史を紐解いていくと、生息地一帯で暮らすアフリカ最古の人種と言われるコイサン族にとっては、塊根植物は観賞用として栽培されるだけではなく食用としても食されており、英名ではコイサンのパンと呼ばれています。
塊根のデンプン質だけを取り出して焼いて食べられており、食感もパンに近く、貴重な栄養源とされていた歴史も存在しています。ヤマノイモ科でもあるために味わいも淡白であり、食用とする場合にはサポニンと呼ばれる毒素を含むために下処理が必要となるものの、古くから食されてきたため、現在も一部の地帯では古くからの調理法で食されています。
ディオスコレアの特徴
日本でも普及し、人気となる品種であるディオスコレア・エレファンティペスは塊根植物であるのが最大の特徴であり、上記で述べた通りに生息地では塊根の半分は地中に埋まっていますが、その塊根の直径また高さは1m程度の大きな塊根へと成長するのが特徴であり、成長過程によってツルっとしていた株の表皮にヒビが入り、
その表皮もコルクの質感へと変化を遂げ、成長することでヒビ部分が隆起して亀の甲羅に似た形状へと姿形が変化する特徴を持った塊根植物です。品種によっては小さな塊根でも亀の甲羅に似た姿形が現れ、大きさも部屋のインテリア向けとなる小さなサイズも交配により誕生しています。さらにディオスコレア・エレファンティペスの葉っぱにも特徴があり、
葉っぱの形はヤマノイモ科同様にハート型であり、塊根と異なり、色艶の良い濃い緑色で光沢があります。さらに葉っぱを付けるツルの特徴としては、9月頃から塊根からツルを伸ばしながら成長していくのですが、生育の勢いが良いために行燈仕立てで栽培されることもある程にツルの生育の速さは特徴的です。
露地植えで栽培することによって塊根は1m程度まで生育しますが、観葉植物としても普及しており、鉢植えでは30cm程度まで成長するのも特徴です。さらに冬の時期に葉っぱを茂らせて夏の時期に葉を落として休眠するなど、生育の過程も特徴的ですし、花を付けるのですが、花の香りはほのかに甘く香り、見た目のインパクトと異なる香りも特徴に挙げることができます。
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