クロッカスの育て方
クロッカスの育て方、球根選び
クロッカスの栽培は、球根の選び方一つで大きく結果が異なってきます。球根は多年草の一つで、地上部が枯れても根や茎などに養分を蓄えて肥大した部分が生きていて、毎年芽を出して生長する植物の事です。球根の大きさや形は様々です。
鱗茎球根は、ユリ科やヒガンバナ科に多く、玉ねぎのように鱗片状になった葉が肥大化するタイプの球根です。球茎球根は、茎が肥大化して紡錘状になった球根で、外皮に包まれた茎の横の節に芽が出来るタイプです。アヤメ科に多くグラジオラスやクロッカス、コルチカムなどがこのタイプの球根です。
根茎球根は、カンナや蓮、ジンジャーなどに多く、地下茎が肥大化するタイプの球根です。塊茎球根は、シクラメンやカラーなどに多く、茎の基部や地下茎が肥大化して丸くなるタイプの球根です。良い球根の選び方は、全体に丸みを帯びていてふっくらしているものが良い球根とされています。極度に薄く平らな球根やひょろ長い球根も良く無いとされています。
又、軽く球根を握ってみてがっしりとしている球根が良いとされ、同じ品種で見た目も同じなら重い球根の方が充実していて良いとされています。外側にある皮が綺麗で張りのある球根や傷と病斑の無い球根が更に良いとされています。
クロッカスの育て方、種付け
植物は原産地の環境を考えれば、どのような場所に、どのような時期に植えれば良いか簡単に見当がつきます。亜熱帯気候原産の植物は暑さが好きですし、ヨーロッパ原産地の植物は夏の蒸し暑さに弱く、特に高山性の植物は尚更です。
クロッカスに限らず植物の栽培には良い土が必要になります。良い土の第一条件は、土から養分や水を吸い上げる根が張りやすい事です。良い土の第二の条件は、酸素を含む空気を良く通して水はけが良い事です。良い土の第三の条件は、土に植物が生長する為の養分が豊富に含まれている事です。
種付けや草木を植え付ける前に堆肥や腐葉土、ピートモスなどをたっぷりとすき込み、鶏糞や緩効性化成肥料などの元肥を良く混ぜておきます。又、栽培予定の畑の土壌の酸度を調べて、種付けを行う前に酸度を調整しておく必要もあります。
栽培する為の土壌が整ったら種付けの仕方です。球根は種付ける時期により、春植え球根と秋植え球根、夏植え球根に分類され、ほとんどの球根が日当たりの良い場所を好みます。種付けの深さは、一般的に地植えなら球根の高さの3倍が目安とされていますが、球根によって大きく異なります。
百合は球根の上からも根を伸ばし、上の根で水分や養分を吸収して下の根で株を支える特徴がありので、目安よりも更に深い所に植える必要があります。逆にクロッカスは、目安よりも浅い5cm程度の深さに植えます。ここで注意したいのが、上下から根が出ても球根には上下があるので間違わない様にします。
植え付ける間隔は、大きさによっても変わりますが、球根の幅の2?3倍が目安とされています。ただし、鉢植えやプランターなどの場合は、密集していた方が見栄えが良いので植える前クロッカスが咲いた時の事を想像して、どのように植えるかの判断をするべきです。
クロッカスの育て方、管理の仕方
秋植えの球根は植え付けた後、春になるまで地上に芽は出ませんが、地下の根は伸びて春の準備を始めます。寒さに強いクロッカスですが、一応寒冷地ではわらや腐葉土などを被せて防寒する方が良いとされています。又、極度に乾燥させないように時々は水やりをするべきです。
特に乾きやすい鉢植えやプランター、コンテナなどで酷く乾燥させてしまった場合は、花芽が 傷んでしまい花が咲かないケースもあります。春植えの球根は、植え付けた後に生長しながら花芽を育てるので、月一回程度化成肥料をスプーン一杯約10gほど追肥してやります。
開花後の育て方ですが、開花後の球根は蓄えた栄養分を使い果たしているので、カリ分の多い化成肥料を追肥して太らせます。開花後は結実しないようになるべく早く花茎を折ってやります。この時に気を付けるのが、花茎と一緒に葉を切ってしまわない事です。葉が無くなってしまうと光合成で出来ず、すぐに枯れ果ててしまいます。
葉が緑のうちは光合成が行われており、来年に向けての栄養を頑張って蓄えている所です。花も葉も枯れてしまったら、球根の掘り上げと球根の貯蔵です。秋植えの球根は梅雨に入る前に掘り上げ、春植えの球根は霜が降りる前に掘り上げます。完全に枯れてしまうと球根の位置がわからない事もあるので、初めてクロッカスを栽培する方は、葉が黄色くなったら掘り上げると楽です。
秋植えの球根の保存は、日陰の風通しの良い所で乾燥させて、ネットに入れて冷暗所に吊るして保存します。春植えの球根の保存は、極端に乾燥させると逆に傷むので、傷を付けないようにして僅かに湿ったオガクズや清潔な土に埋めて保存します。
クロッカスの歴史
地中海沿岸から西アジアを生息地とする多年草の球根植物であるクロッカスは、世界に約80種類の園芸品種があるとされ、チューリップと同様の経路でヨーロッパ大陸に持ち込まれたとされています。
16世紀の中頃に神聖ローマ帝国のトルコ大使によってオスマントルコ帝国のイスタンブールからチューリップやライラックなどと共に持ち込まれたとされています。アヤメ科クロクス属に属するクロッカスの歴史は浅く、その為に記録も非常に少ないとされていますが、秋咲きのクロッカスの仲間であるサフランは、紀元前15世紀のクレタ文明で黄金と等価交換されていた記録が残されています。
クロッカスの名前は、糸の様に細長い雌しべを持つ品種に因み、ギリシア語で「糸」の意味であるクロケが語源とされています。又、ギリシア神話では、クロッカスはヘルメスの恋人であるクローカスの化身であるとも言われています。日本には、江戸時代にサフランとして伝えられ、明治時代に婦人用の中将湯などの漢方薬として伝えられています。
クロッカスの特徴
クロッカスは、ヨーロッパの原産品種を改良した園芸品種であり、原種の性質で秋咲き、春咲き、冬咲きの3種類に分類されています。この花は球根から線状の葉を出し、同時に葉の間から蕾が伸びて来て1株から3?4個の花を咲かせます。この花の花びらは6枚であり、花の大きさは4?6cm程度の花を咲かせます。
春咲きの品種は明るい花の色が多く、葉は白い葉脈の目立つ葉と株の割りに大きな花を咲かせる特徴があります。葉の長さは花の高さと同程度の10?20cmと低く、花が咲き終わると一気に葉が伸びて生い茂り、光合成を行い栄養を球根に蓄えて休眠します。このサイクルを毎年繰り返します。
この花は、管理が悪くなければ比較的簡単に分球して増やす事が出来、気になる病気も無い為に2?3年植えっぱなしでも問題無いとされ、大変栽培しやすい事も特徴です。又、原産地が地中海沿岸から西アジアという事もあり、耐寒温度がマイナス10度と寒さに強いのも特徴です。
庭植えに向く品種は、ダッチと呼ばれるオランダで品種改良された春咲きの園芸品種であり、関東以北の寒冷地では冬咲きのクリサンツス系統やトマシニア系統なども地植えで開花状態が維持出来ます。この花の特徴として、分球が激しく年々開花数が減少するので、開花数を維持する為には毎年少しずつ開花球を補充する必要があります。
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