アロカシアの育て方

アロカシアの育て方

アロカシアはサトイモ科に分類される品種であり、学名の「Alocasia」に属する植物の総称になります。原産は東南アジア、オーストラリア、台湾、日本などの暖かい地域に70種類ほどが存在していて、その中の3種類が日本を生息地としています。

育てる環境について

アロカシアは主に熱帯地域に自生する植物のため、寒さには弱くなっています。高温で湿度の多い環境での栽培が適しているので、育て方としては空気が乾燥しないように気を付けてください。アロカシアの多くは森林などが生息地になるので、直射日光には当てないようにして、

明るい半日陰で育てるようにします。緑の葉の場合はある程度は光に当てても問題はないのですが、葉にメタリックな光沢があるものは直接日に当てないようにします。極端に乾燥していたり、直接光を当ててしまうと葉が変色して黄色くなってしまうことがあるので、

置き場所には十分注意してください。ただし、光を防ぎすぎてしまうと茎が間のびしてしまうので、適度な明るさがある場所で栽培します。アロカシアを窓の近くに置く場合には、カーテンなどで光を和らげるようにして、エアコンの風が直接当たらないようにして乾燥を防ぐようにします。

寒さに弱いので冬場は15度以上で管理します。日本に自生しているクワズイモやシマクワズイモは、比較的寒さに強くなっていますが、それでも10度以上の温度を保つようにしてください。5月中旬から9月中旬くらいの気温が高い時期は屋外の半日陰での栽培もできますが、

それ以外は基本的に室内の半日陰で育てるようにします。冬場の気温が低くなる時期には、温室などの安定した環境で育てるのもよい方法です。葉に傷んだ部分などがある時は、冬になる前に取り除いておきます。

種付けや水やり、肥料について

水分を好むので水は切らさないようにして、葉を乾燥させないように霧吹きなどでこまめに水を与えるようにします。春から秋の生長期には、表面の土が乾きそうになったら水を与えるようにします。気温が下がってくると徐々に水を吸わなくなってくるので、

冬は水を控えめにして株を休ませるようにすると、暖かくなってから新芽が出てきます。冬は空気が乾燥しがちなので湿度を保つようにして、加湿器を利用したり霧吹きで葉に水を吹きかけるなどして対処します。アロカシアの植え替えは5月から8月が適しています。

鉢の底から根が見えるようになったら植え替えするようにして、付着している古い土を落として痛んでいる根がある時は切り取ります。土は水はけの良い赤玉土と腐葉土を配合した物や市販の観葉植物用の土を使い、一回り大きなサイズの鉢に植え替えをします。

アロカシアは上部にボリュームが出る植物なので、バランスを考慮して鉢選びをします。根詰まりを起こしてしまうと生育が悪くなるので、なるべく2年に1回を目安にして植え替えを行うようにしてください。葉が大きいので重さで茎が倒れてしまうことがありますが、

その場合は支柱を立ててから茎をひもなどで固定します。日頃の手入れでは、下葉が枯れてきた時にはすぐに除去するようにします。肥料は5月から9月の生育が活発な時期に、緩効性の肥料を2ヶ月に1度、またはカリ分の多い液体肥料を10日に1回の割合で与えるようにします。

増やし方や害虫について

アロカシアの増やし方には、取り木と株分けがあります。取り木をする時には、6月から7月くらいに行います。まず取り木をしたい高さの位置で茎の表皮をはがします。皮をはがした部分は濡らした水ごけでくるんでから、水分が蒸発しないようにビニール袋をかぶせた後、

上下を紐でしばって固定します。1ヶ月から2ヶ月ほどで根が出てくるので、切り取って新しい鉢に植付けます。株分けは子株が出ている場合に可能な方法になり、葉が伸びて根がしっかり付いている状態の物を分けて植付けします。アロカシアがかかりやすい病気には、軟腐病と炭疽病があります。

軟腐病の原因は細菌になり、繁殖してしまうと葉や茎がしおれてきて根が腐ってしまい、酷くなると株が倒れてしまうことがあります。軟腐病になってしまったときには、腐ってしまった部分を消毒したナイフなどで切り離し、切り口に殺菌剤などを塗布して乾燥させてから新しい土に植付けをします。

細菌系の病気は発生してしまうと対処が難しいため、あらかじめ薬剤を散布して予防しておく方法があります。炭疽病は高温多湿の環境で多く発生する病気になり、葉にできた黒い斑点が大きくなってきて穴があいてしまったり、枯れてしまったりします。

発病した葉はすぐに取り除くようにしてから薬剤を散布します。害虫ではナメクジやハダニの被害が多く見られます。見つけたらこまめに手で取り除いたり、薬剤の散布や誘殺剤などを置いて駆除します。

アロカシアの歴史

アロカシアはサトイモ科に分類される品種であり、学名の「Alocasia」に属する植物の総称になります。原産は東南アジア、オーストラリア、台湾、日本などの暖かい地域に70種類ほどが存在していて、その中の3種類が日本を生息地としています。

学名「Alocasia odora」(アロカシア・オドラ)は四国と九州、沖縄、小笠原諸島に自生していて、クワズイモと呼ばれています。クワズイモはサトイモ科なので、見た目は食べられそうですが、シュウ酸カルシウムを多く含んでいるため粘膜に刺激を与え、

大量に食べると嘔吐や下痢、麻痺などの症状を起こします。口に入れると中毒症状を起こすことから、「食わず芋」と呼ばれるようになりました。日本では鉢植えなどで市場にも出回っている小ぶりのシマクワズイモ、3mから6mほどの大きさまで育つヤエヤマクワズイモなどが生息しています。

園芸店では外来種のアロカシアも多く見られ、葉脈に白い線の入った南国風のアロカシア・アマゾニカ、ボルネオ島原産で葉に光沢があり、葉脈に濃い緑が入ったアロカシア・クプレア、葉が5cmから15cmほどととても小さいアロカシア・バンビーノなどがあります。

アロカシアの花言葉は復縁や仲直りという意味があり、葉がハートのような形をしていることから復縁のおまじないに役立つ植物として評判を呼んでいます。小型のものは雑貨店などでも購入できるため、鑑賞用として入手しやすい植物です。

アロカシアの特徴

アロカシアの葉はとても大きくインパクトがあるため、室内に飾っておいても見栄えがして、葉の形もハート型や卵型、矢じりのように先端が尖った形をしているものなど、色々な種類があります。葉の模様や質感、草丈のサイズも豊富なので、

それぞれのインテリアや置きたい場所に合った観賞植物として利用できます。アロカシアは主に葉を楽しむことが目的になりますが、花も咲きます。花はサトイモ科によく見られるものになり、大きな花軸を中心として小さな粒のような花が密集して咲き、

その周りは葉が変色したとされる仏炎苞という花弁が囲んでいます。これは肉穂花序(にくすいかじょ)と呼ばれていて、同じサトイモ科でもアンスリュームなどと違って華やかさはないので花を観賞することはありません。4月から8月頃に花が咲いた後には、トウモロコシのような粒状の実がなります。

アロアカシアはさまざまな種類が存在していますが、それぞれに適した栽培方法があります。暖かい場所を好み乾燥を嫌う性質があるのですが、寒さに対してはクワズイモなどに比べると、アロカシア・アマゾニカやアロカシア・クプレアなどの熱帯地域で育つ外来種の方が耐性が低くなっています。

また葉に光沢のあるクプレアなどと、光沢のないタイプでは栽培に適している置き場所などの育て方も若干変わってくるので、品種にあった方法で栽培するようにしてください。アロカシアの栽培のポイントは、高めの温度と湿度での栽培になります。

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