アネモネの育て方

アネモネの種付け
種から撒く場合には9月から10月の間に行いますが、25度以上の暑い環境では発芽しないので、初秋のまだ暑い時期には日陰で保管するのが良いでしょう。種付けを球根で行なう場合には時期としては10月以降が適していて、日当りの良い場所で栽培をします。
アネモネの球根は乾燥しているときはカチカチで、そのまま土に植えて水をやると急激に水を吸収して球根が腐ってしまうので、植え付け直後は水を与えずに土が乾燥してから与えるようにするか、種付けを行う前に球根に少しずつ水を吸わせて膨らませておいてから土に植えるという方法をとります。
ゆっくりと水を含ませていくことがポイントとなります。乾いた球根を水に付けるということは球根が腐ってしまう原因となるので決してしないようにします。球根はとがった方が下で、平らな方が上になるように置きますが上下の区別がはっきりしない場合は横向きにおいてもよいでしょう。
地面に直接植える場合には3cmくらいの深さのところに球根を植えて15cmくらいの間隔をあけて植えてきます。鉢植えの場合には1cmくらい覆土をし、直径18cmほどの鉢なら3個くらい植えます。
アネモネは根が深く張ることも特徴なので、根が張れるスペースを残しておくことも大切になるので鉢の場合は浅植えにするのです。種付けの際の用土は水はけの良く、酸性ではないの土を好むので、赤土と腐葉土を7対3くらいの割合で混ぜた土に石灰を混ぜ込んでおくとよいでしょう。
アネモネの管理と育て方
アネモネは日の当たる場所を好みますが、気温が5度以下の気温の空気に一カ月以上当たらないとつぼみができず、花が咲かない性質があるので、つぼみがつくまではできるだけ外で栽培をするようにします。水やりや肥料については、葉が出てきて成長しているときにはあまり乾燥させないようにし、土の表面が乾いたらたっぷりと水を与えます。
肥料は球根を植える際に、ゆっくりと効くタイプの肥料を与えておき、その後は一カ月に一度の割合で液体肥料を与えるようにします。アネモネの花が咲いたあと枯れてきたら花茎の下から摘み取るようにすることで余分な栄養がとられなくて済み、病気の予防にもなります。
花がすべて終わって球根を土から取り出して保管する場合には、葉が自然に黄色くなって半分以上枯れてきたころに行うとよいでしょう。堀りだした球根は日陰でよく乾かして涼しい場所で保管します。球根をとらずそのままでも良いのですが、夏の休眠中雨にたくさん当たると球根が腐ってしまう可能性があるので、鉢植えなら雨の当たらない場所に移動し、地植えなら雨がたくさん当たらないような工夫をしておきます。
アネモネは白絹病という病気にかかりやすいのです。土の中の菌が原因で起き、根元や球根に白カビがついて腐っていく病気です。もしかかってしまったら効果のある薬剤葉ないのでその株は抜いてしまうようにします。予防のためには球根を植え付けるときに土に殺菌剤をまいておくか、土を日光に良く当てて消毒してから植えるようにするとよいでしょう。
またアネモネの栽培においては、センチュウという害虫がつくこともあります。センチュウは土の中にいる小さな虫で根に寄生し、アネモネの栄養を取ってしまうのです。するとアネモネは枯れてしまうのです。その時には薬剤をもちいて土を消毒するという方法もあります。
アネモネの育て方のまとめ
アネモネの育て方はそれほど難しいものではありませんが、注意をすることは、まず球根を植えるときにはいきなり水を吸わせることはせず、ゆっくりと吸水させてから植えるか、乾燥した球根のまま植えてしばらく水を与えないようにするなどして球根が腐らないようにすることです。
次につぼみができるまでは5度以下の冷たい空気に触れさせておくようにすることです。花が咲いてそれが枯れてくるとこまめに花を摘み取ることも大切な作業になってきます。枯れた花をそのままにしておくと病気の原因にもなるので、株の上に散った花柄もきちんと取り除くようにしましょう。
そしてすべて花が終わった後の球根は掘り出して涼しい場所においておくか、掘り出さない場合でも雨の当たらない工夫をすることが大切なことです。芽が出てから花が咲き、地上部が枯れるまでの間は風通しの良い戸外で、地上部が枯れた暑い夏には雨の当たらない涼しい日陰に置くということで覚えておくとよいでしょう。
とにかく高温多湿が苦手な植物なので、その点を常に念頭に置いて栽培をすれば、上手な育て方ができ、比較的栽培しやすい花です。花が終わって休眠をしているときにも気温や多湿に注意をして保管をしておけばまた翌年の春先には芽が出て花を咲かせてくれる植物です。アネモネはガーデニングの初心者でも栽培しやすく、色とりどりのきれいな花を楽しむことができるので初春の庭を明るくしてくれることでしょう。
アネモネの歴史
地中海沿岸が原産地のアネモネは、ギリシャ神話ではアドニスという美少年が流した血から生まれた花という説もあり、古くからヨーロッパでは美しさとはかなさの象徴とされてきました。そして「風」という意味から生まれた「アネモネ」という名前が付けられました。人とのかかわりが深く神話などに良く出てくる花で、十字軍や巡礼者などによって各地に伝えられました。
日本でもシュウメイギクなどアネモネの仲間が自生していましたが、現在園芸用とされているのは地中海沿岸の野生種のアネモネ・コロナリアやフルゲンスなどから作られた品種です。
アネモネの特徴
クレマチスやラナンキュラスと同じキンポウゲ科の花で開花時期は4月から5月です。約120種類の仲間が北半球の温帯地域から亜寒帯地域を生息地として分布しています。ヨーロッパや地中海沿岸の原生地では、雨の多い冬に生育し、初夏に地上部が枯れ、根が球根となって乾燥する暑い夏を越します。
日本の気候の中でも涼しくなる秋になってから芽を出し2月から5月ごろの春に開花して夏には球根を作って休眠します。球根は根が固まってできた塊根です。その球根が乾燥している状態の時は小石のように固いのですが、水を吸うと膨らんで球根らしい形になります。アネモネは多年草で水はけの良く日当りの良いところに植えて、肥料のやりすぎに注意をすれば何年も花が咲きます。
草丈は15cmから50cm程度、花の色は白や赤、ピンク、青、紫などです。葉は鳥の羽に切り込みが入ったような形で濃い緑色をしています。春になるとつぼみの付いた花茎が次々と出てきて花を咲かせます。品種によって特徴がありますが、コロナリア種は和名葉ボタンイチゲといい、草丈は30㎝から40cmで一重や二重の花を咲かせる「デ・カーン」、半八重咲きの「センと・ブリッジ」などが良く知られています。
おしべが花弁のように変化していることが特徴的で菊のような姿をした「キクザキアネモネ」という花もあります。フルゲンスの品種では、花は緋色でおしべが暗い紫色です。オランダブランダという品種は花は小菊のようなもので白や赤の花を咲かせます。
草丈も15cm程度と小ぶりで山野草のような雰囲気を持った愛らしい花です。このような品種があり赤やピンク、紫色など初春にも景色を彩ってくれる花です。暑さには弱いですが寒さには強く、上手に育てれば何年も花を咲かせてくれ、初心者でも育てやすい花です。
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