フィロデンドロン・セロウム(Philodendoron bipinnatifidum)の育て方

フィロデンドロン・セロウム(Philodendoron bipinnatifidum)の育て方

フィロデンドロンとはギリシャ語で「木を好む」という意味を持つ言葉です。セロウムはサトイモ科に属するフィロデンドロン属の仲間のひとつで、園芸用としてもっとも一般的によく見られる品種です。

フィロデンドロン・セロウムの植え替え

フィロデンドロン属はかなり大株にならないと花そのものを付けないことが多く、花が咲かないと結実しないので種を採取することが出来ません。種子自体もあまり出回っているものではないので、種付けから育てるのではなくミニ苗を購入して栽培するのが良いでしょう。

植えるのに最適な時期は5月から6月ですが、室内で育てることを考えていて、真冬の厳寒時でなければそれほど気にすることはありません。購入したミニ株は一回り大きな鉢を用意し、用土を施してから植えるようにしますが、

その際の用土は小粒赤玉土を六割くらいの割合で、後は腐葉土と川砂を混ぜて水はけが悪くならないように配慮します。セロウムは水を好む品種ですので、屋内に置いておくのに土の匂いが気になる場合などは水ゴケ単用で育てても良いでしょう。

セロウムはきちんと根付くととても成長するのが速く、根が特に伸びやすいです。そのため鉢で育てていると根詰まりを起こしやすく、成長しすぎると根と土が固まってしまい鉢から出すのが困難なほどになってしまいます。

そのため生育期には何度も植え替えが必要になることもあるので、鉢の底から根が伸びていないかなどをよくチェックしておくようにしましょう。成長が落ち着いてきたら、基本的には2年に1回くらいの植え替えを目安とします。

水ゴケで育てている場合は植え替え時に傷んでいる水ゴケをしっかりと取り除きましょう。伸びすぎているつるがあれば、新しい芽の発芽を妨げないように切り戻しを行います。

フィロデンドロン・セロウムの増やし方

さし木をして増やすことが可能で、高い気温と湿度の中で行うほうが成功率が上がりますので、5月~7月辺りの時期に行うのが適切です。セロウムが問題なく育っていれば幹の下のほうから小さな芽を伸ばし始めるのですが、これを脇芽と呼びます。

通常時はこの脇芽は見た目が悪くなるので切ってしまっても良いものですが、繁殖をする時にはこの脇芽を植えることで新しい株を増やすことが出来ます。葉を何枚かつけている茎を切り取ってさし木をしても株分けすることが出来ます。

セロウムはあえて増やすことをしなくても株が自然に増えますし、根をよく張るのでその分だけ頻繁な植え替えの必要性が出てきますので余裕がない時にはあえて繁殖を考えずとも良いでしょう。さし木やさし芽をする時は切り口を水ゴケでくるんで保湿し、

用土を施した場所に植えつけをして乾燥しないように栽培します。セロウムは成長してしまえば寒さや乾燥にも強いのですが脇芽の時やさし木をした時には寒さに弱い傾向にあるので寒さに当たらないようにし、冷暖房の風が直接当たることも避けるようにすれば育成がスムーズでしょう。

フィロデンドロン・セロウムの育て方

年間を通して明るく風通しのよい室内で育てます。室外で栽培する場合は強い日光が当たりすぎない場所を選びましょう。ジャングルに生育する植物に共通することですが、直射日光に当たると葉が焼けて弱るので、必ずレースのカーテン越しなどに光が当たる程度の場所に置いておくようにします。

光が不足するとか細く頼りない姿になってしまうので、適度な日光は必要です。セロウムの葉は大きく、枝葉を四方八方に伸ばして育つので広い場所に置いて葉が壁や家具などに触れないようにしましょう。葉の大きな観葉植物は室内のホコリが葉の表面を覆ってしまうことがあり、

ハダニがつきやすくなります。室内に置いている場合は霧吹きなどで葉に水分を補給してやりながら、表面のホコリを定期的にふき取ってやるようにします。屋外で育てている場合は根元だけでなく葉にも水をかけてあげると良いでしょう。

セロウムはたいへん水を好む品種なので、土を触って乾燥しているようなら水をたっぷりやり、湿度を高めに保つために霧吹きで葉や幹にも水をまんべんなくかけて潤してやるようにします。冬場は生育が鈍くなる時期ですので、水やりは控えめに、

土を乾かし気味に保っておくと根腐れを起こしません。湿度の高い場所で育てていると気根が幹の途中からどんどんと伸びてきますが、これは切ってしまっても問題ありませんので都度切り戻しを行って姿を保つようにします。

セロウムは気根をたくさん伸ばす性質を持っていますので、定期的に剪定を行わないとすぐに葉や小さな茎が茂って乱れた様子になってしまうので、全体的に葉が込み合ってきたら仕立てをするようにしておくと後々手入れが楽になります。

セロウムは肥料も好みますので生育期には2週間に一度くらいのペースで液体肥料をやります。熱帯の植物なので栄養をやりすぎると大変大きく成長してしまいます。屋外で育てている場合は大きくしてダイナミックな姿を楽しむこともできますが、

室内に置いておく場合は邪魔になってしまうので、育ちすぎないようにする場合には肥料は1か月に1度くらいに留めておきましょう。病害虫はあまり心配いりませんが、カイガラムシがつくことがありますので見つけたらその都度駆除を行うようにし、薬剤の散布は避けたほうが無難です。

フィロデンドロン・セロウムの歴史

フィロデンドロンとはギリシャ語で「木を好む」という意味を持つ言葉です。セロウムはサトイモ科に属するフィロデンドロン属の仲間のひとつで、園芸用としてもっとも一般的によく見られる品種です。パラグアイやブラジルを原産地としており、

温暖な地域の薄暗いジャングルを生息地とする植物の一種です。日本への伝来時期ははっきりとはわかっていませんが手のひらのような形の面白い葉っぱを付けることから和名では「ヒトデカズラ」と呼ばれています。

フィロデンドロン属の植物はほとんどがつる性の性質を持っており、大きな樹木にからみつくようにして生育します。和名のカズラという言葉もこのつる性の性質を指しています。セロウムはフィロデンドロンの仲間の中でもそのつる性の性質を強く持たない幹立ちの品種で、

常緑の多年草であることと寒さや乾燥に強く育てやすいことから観賞用の植物として贈り物として使われてきました。近年は多種のフィロデンドロンの品種があり、大きく分けるとつる性のものと、セロウムのようにつるにならないものが存在し、つる性のものでは明るい葉の色がインテリアとして人気のスカンデンス・オクシカルジウムという品種が代表的です。

フィロデンドロン・セロウムの特徴

フィロデンドロン・セロウムは成長するに従って大きく切れ込みの入った葉を付け、幹のあちこちから気根を伸ばします。セロウムはフィロデンドロン属の種類の中では最も耐寒性が高く、比較的簡単に冬越しをできるので初心者にも育てやすい植物です。

支柱を立てなくても自立し、幹から伸びた茎が落ちると目玉のような模様を幹に残します。この模様と大きな葉の形がエキゾチックだとして屋内に飾るインテリアとして人気があります。 フィロデンドロンは室内に置いておくと空気を浄化する働きがあると言われており、

それも観葉植物としてポピュラーになった理由のひとつですが、サトイモ科の植物なのでシュウ酸カルシウムという成分を幹や葉に含んでいます。猛毒ではありませんが、かぶれの原因となることもありますので肌の弱い人は触れる時に手袋などをして防衛するようにすれば安全です。

葉に大きな切れ込みが入った姿が親しまれている植物にはモンステラがありますが、両者ともに日光の当たらない薄暗い熱帯雨林の中で生育するので大雨が降った時に葉から水が落ちやすいようにし、鬱蒼と茂る森の中で僅かな日光を遮らないようにするためにそのような形状に進化したと言われています。

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