カラタネオガタマの育て方
育てる環境について
寒さにやや弱いため、霜がおりる地域での栽培は難しいと言われています。また、鉢で栽培をするとしても、カラタネオガタマは4メートルから5メートルほどの高さになるため鉢栽培は難しいと言えます。元々暖かい地域が生息地となりますので、耐寒性は弱い事や、
乾燥した冷たい風に当たる事で落葉してしまったり、枝枯れを起こすことからも寒冷地での植栽は難しいのです。尚、育てた方のポイントとして日当たりが良く、半日は日陰になる場所が育てる環境に適しており、下枝の高さが高くなるため、木の下部分などは、明るい半日陰地、やや湿り気のある土壌を好みます。
尚、花つきが良くなるためには、午前中に日の当たる場所を選ぶのが最適だと言います。因みに、鉢栽培でも1メートルほどの高さに管理をしてあげれば寒冷地での栽培も可能になりますが、この場合は室内での管理が必要になります。用土としては黒土を主体として、
完熟した堆肥、有機質などを混ぜてあげることで、やや湿り気のある用土を作りだし、鉢植えでの栽培用の用土が作れます。寒冷地において、冬場は戸外に出すことが出来ませんが、窓際などの日当たりが良い場所に置いて管理をしておくと良いです。
また、夏場は戸外での管理でも十分成長出来るため、冬場は室内、それ以外の季節は戸外での管理と考えて栽培を行う方法も有ります。しかしながら、大きく育てたい場合は庭植えがお勧めであり、比較的暖かい地域であれば庭植えがお勧めになります。
種付けや水やり、肥料について
植え付けに適している時期と言うのは3月から4月にかけてであり、植え替えに置いても同時期に行います。植え付け後の肥料は、2月の下旬から3月にかけて、6月から7月にかけて行いますが、これは鉢植えの場合と庭植えの場合で共通となります。尚、開花時期と言うのは4月から6月頃になります。
耐寒性はやや弱く、耐暑性は普通となるため、地域により初心者でも容易に栽培が可能になりますし、大きな木に育手たい場合は庭植えがお勧めです。尚、水やりについてですが、夏場には水切れが起きやすいので注意が必要で、夏場の水やりは夕方以降に行うのが最適です。
朝などに与えてしまうと、日中の太陽の光により高温になることからも、夏場は夕方以降がお勧めで、水切れが起きてしまうと生育や花つきが悪くなりますので適量を与えていく事が育て方のコツでもあるのです。肥料は、寒肥については堆肥などの有機物を中心に施し、
開花後の6月頃には油かすや化成肥料などを同量混ぜたものを根元に施してあげます。尚、用土については鉢植えの場合では水はけが良い物を選ぶ事がポイントであり、庭植えなどの場合は、粘土質などの土壌は水はけが悪く、根腐れを起こしやすいため、
土壌を改良してあげることが大切です。腐葉土などの有機物がたっぷり入っている物を選んで用土にしてあげることで水はけが良い土壌を作り出せますし、このような用土を使うことで、庭植えだけではなく鉢植え栽培でも可能になります。
増やし方や害虫について
一度植え付けを行う事、大きな木になった時などは移植は難しくなりますので、庭植えを行う時には場所を良く考えて植え付ける場所を決める事が大切です。また、カラタネオガタマは非常に移植しづらいと言われており、小さな状態の木でも、移植をしたら枯れてしまうと言う事も有ると言われています。
鉢植えの場合などでは、成長する事で鉢の中が根で一杯になってしまいますが、この場合は根をなるべくいじらないようにして一回りから二回り大きな鉢に植え替えを行います。増やし方としては、種まき、挿し木、とり木などの方法がありますが、
成功率として高いのはとり木であり、初夏になった時にお行います。とり木として利用するのは、直径が鉛筆くらいの太さのものから、それより一回り太い枝を利用し、長さはとしては30cmから50cmほどのものが扱く、枝の付け根部分に近い場所にある樹皮を、
幅2㎝から3cmぐらいで剥いてから、剥いた部分に湿らせた水ゴケなどを当てておき、乾燥しないようにビニールなどを利用して包みます。9月頃になると、ここから根が出てくるので、切り離して鉢植えを行って、冬場は寒風が当たらない軒下などに置いて管理をしておきます。
枝葉が密生して風通しが悪くなってしまうとカイガラムシが発生する事が在ります。更に、カイガラムシの排泄物からすす病と言う病気が発生する事もあり、枝を間引いてあげて風通しを良くするなどの環境づくりを行っておけばカイガラムシが発生し難くなります。
カラタネオガタマの歴史
カラタネオガタマはモクレン科の植物で、樹高4mから5mになる常緑性の花木で中国南部が原産と言われており、トウオガタマと言う別名が有ります。枝葉がよく茂り、花の香りが良い事からも、庭木や生垣に利用する事が多いと言われており、神社の境内などに植えられているケースも有ります。
尚、カラタネオガタマは、日本国内には中国から江戸時代の中頃に伝来したと言われており、古くから親しまれている花木です。カラタネオガタマは、温暖な気候を好み、寒いのを嫌うことからも、関東より以西で植栽されるケースが多く、成長していく事で樹高が4mから5mに達する小高木であり、
庭木としては大きくなり過ぎると困るからと、3m程の高さにしているケースが多いとも言われています。カラタネオガタマの園芸品種の中には紅色の花が咲くベニバナオガタマは「ポートワイン」と呼ばれており、これに近い仲間として、花びらが反り返るように開くと言った特徴を持つウンナンオガタマ、
日本原産と言われているオガタマノキなどが栽培されています。尚、カラタネオガタマはトウオガタマとも言いますが、何れの場合も「中国から来たオガタマノキ」と言った意味を持ちますが、オガタマノキと言うのは日本原産のものであり、カラタネオガタマとは別の種類になります。
また、オガタマと言うのは、霊を招くと言った意味となる「おきたま(招霊)」が訛ったものであり、枝葉が神事に利用されていたからだと言われています。因みに、この花木が神事に用いられたかは否かは定かではないのですが、神社で見かけるのはオガタマノキの仲間として植えられていたことからも境内などで見返ることが有るのだと言います。
カラタネオガタマの特徴
カラタネオガタマは中国の南部などが生息地と言われており、日本原産のオガタマノキは関東よりも西の地域が生息地だと言います。温暖な気候を好む事、寒さが苦手などの理由からも、生息地の環境としてはこれらの条件を満たしている地域になるのです。
枝部分、葉柄などには褐色の毛が密生しているのが特徴で、葉腋に半開状に花が咲きますが、この花は直径が2㎝から2.5㎝ほどの小さなもので、花弁は黄白色で、縁部分や雄蕊などが薄紫色をしており、花は小さいためあまり目立たないのですが、バナナのような甘い芳香が有るがこの花木の特徴と言えます。
バナナのような甘い芳香など、花の香りからも、英名では「banana shurb(バナナ・シュラブ)」や、「banana tree(バナナ・ツリー)」と呼ばれており、シュラブと言うのは低木の意味であり、中国の中では「含笑花」と呼ばれています。
由来は定かではないのですが、「花が含み笑いをしているように見える」、「甘い香りがするので笑顔になる」と言った解釈が存在しています。また、花の寿命は1日から2日と短いのですが、次から次へと開花するため、開花期間としては10日前後と言われています。
尚、日本原産のオガタマノキ属は、花が葉腋に付き、果実の袋果が互いに離れ、雄蕊の器官などに柄が在り、胚珠が多数存在しているなどの理由で、モクレン属とは区別が行われており、東アジアの熱帯地域、中国、ヒマラヤなどの地域に約45種が生育しており、日本国内においては、暖地に1種類のオガタマノキが自生していると言います。
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