シャクヤクの育て方
シャクヤクの育てる環境について
シャクヤクは日当たりの良い場所を好みます。日当たりが悪いと花の形が美しくなりません。別に日中の半分が日陰になる程度なら気にしなくても構いません。ただし、真夏の西日は避けたほうがよいです。冷涼な環境を好む植物ですが暖かい場所でも十分に育ちます。
とはいえ、土の中の温度があまりに高くなると根が弱って育ちが悪くなる可能性があるので、株元を腐葉土や敷きワラで覆えば対策になります。露地植えする場合、あらかじめ植える2ヶ月前には完熟堆肥か腐葉土を三割ほど入れておきましょう。シャクヤクは肥沃な土の方が育ちます。
あとは風通しと水はけが良い環境を好みます。地中の根が太くしっかりと張るタイプの植物ですのでプランターでの栽培には向いていませんが、もし使用するのであれば根が十分に張れるようにできるだけ大きなものを用意しましょう。小さくても八号は必要です。
水はけが良いほうが好ましいので、たとえば使用する土は赤玉土を4、完熟堆肥を2、腐葉土が4といった割合になるようにするなど工夫をしましょう。一番下にゴロ土を敷いておくと、さらに効果的です。また、土の中の温度が高くなると根の部分を痛める可能性があります。
痛める前に使用中のプランターよりも一回り大きいプランターを用意して二重に重ねてください。そうすれば高温対策になります。あとは風通しが良い場所に置くべきなのですが、寒風には弱いので冬になれば風の当たらない場所に移動しましょう。あとは、花が咲いている間は強い風と雨を避けると長持ちします。
種付けや水やり、肥料について
育て方になりますが、植え付けは九月下旬から十月が適しています。一から育てるのなら苗や株を入手してください。露地植えするなら50cmほどの穴を掘ってください。掘り出した土に腐葉土や完熟堆肥を三分の一ほど混ぜて戻してください。
病虫予防のため、植え付ける前に根に付いている土を綺麗に落としてください。地中に埋めるときは、芽が3~5cm埋もれるようにしましょう。露地植えで複数植えるときは60cmから1m間隔をとってください。シャクヤクは何年もするといくつも目が出て株も大きくなります。
根も非常にしっかり張るので間隔が必要になります。水やりは植えつけた直後にたっぷりとやってください。その後は乾燥させない程度に水やりを行ってください。露地植えなら基本的には自然の雨だけで大丈夫です。ただし、乾燥を嫌う植物なので晴天が続くようであれば毎朝チェックするようにしましょう。
乾燥していたら水をたっぷりやってください。特に根が活発に伸びる十一月や乾燥しやすい夏は注意が必要です。プランターで栽培するなら、夕方もチェックするとよいでしょう。水をやるときはプランターの底から流れ出てくるくらいやりましょう。
次に肥料の与え方ですが、三月に芽だし肥、花が咲き終わる頃(六月ぐらい)にお礼肥、あとは九月頃にも追肥を行います。一株に5g程度の化成肥料を撒いてください。シャクヤクは肥料を多く使う植物ですが、多すぎると花が咲きにくくなります。あと、夏に肥料を与えると株が傷みやすくなります。注意してください。
増やし方や害虫について
シャクヤクは株分けによって増やします。株が大きくなりだす九月頃に行うとよいでしょう。株分けをすれば花つきや育成が良くなるので、五年毎ぐらいを目処に行えばよいでしょう。プランターでの栽培なら、株や根に対して鉢が小さくなるので増やしたくはなくても三年毎に行うほうがよいです。
地中に埋まっている株を掘り出し、傷がつかないよう丁寧に根から土をとってください。それから茎を根元から切り落としてください。そして一株あたり三本から五本の茎が残るように切り分けてください。あとは茎の根元と株の切り口に殺菌剤を塗布して、植え付けした時と同様にして植えてください。
くれぐれも根に傷が入らないように最後まで注意してください。気をつけ無くてはならない病気としては、灰色カビ病があげられます。この病気は葉やつぼみに発生しやすく、褐色の斑点ができてグレーのカビが生えるのです。するとカビの部分が腐り、その周りにも広がっていきます。
予防としてはカビが生えないようにすることです。日当たりの良い場所を選びましょう。次に立ち枯れ病も気をつけなくてはなりません。地中の病原菌にやられて根元から腐ります。他にも葉に白い粉が吹き出したようになるうどんこ病があり、花が咲かなかったり枯れたりします。
これらが発生したら早急に薬剤をまいてください。害虫については、ネコブセンチュウや根きり虫という地中の虫に根をやられて株が衰弱することが有ります。対策は薬剤しかありません。発生する前に必ず薬剤を定期的に散布して予防してください。特に春夏は気をつけてください。
シャクヤクの歴史
シャクヤクの最も古い記述については、中国で紀元前五世紀には栽培されていたという記録が残っており、宋の時代には品種改良が行われていました。また、漢方薬の材料として利用され続けてきました。ヨーロッパに伝わったのは近代です。もともと別種のシャクヤクが存在していましたが、
薬用効果が高かったため魔力があると恐れられていました。そもそも見た目も美しくはないので観賞用としてパッとはしませんでした。しかしシャクヤクが持ち込まれるとたちまち評判となり、フランスやイギリスなどで品種改良が盛んに行われるようになりました。
もともと生息していた別種のシャクヤクも交配に使われています。今でも「山のバラ」「聖母のバラ」として親しまれています。一方、日本におけるシャクヤクの歴史ですが、平安時代に中国から伝わり薬草として使われていました。その頃は夷薬と呼ばれていました。
夷とは昔の中国の異民族のことです。小野小町の百夜通いの伝説にも登場し、深草少将に毎日一本ずつシャクヤクを渡されたという話が残されています(あくまで伝説です)。その後、観賞用として栽培・品種改良されるようになったのは桃山時代の頃で、江戸時代中期には百二十種存在したという記録が残っています。
ちなみに「日本誌」の原著者として有名なエンゲルベルト・ケンペルが日本のシャクヤクを持ち帰っていて、その後のヨーロッパのシャクヤクブームに一役買うことになります。明治時代になっても品種改良は盛んで、昭和になるとボタンとの交配に成功し世界を驚かせました。
シャクヤクの特徴
シャクヤクは漢字で芍薬と書き、学名をPaeonia lactifloraといいます。ユキノシタ目ボタン科ボタン属の多年草です。原産は中国・モンゴル・シベリアで、生息地はそれらに加えて日本や朝鮮半島、ヨーロッパ、シベリアです。ただし、一般的には園芸用のものを指すので注意が必要です。
葉は複葉で高さは50cmから1m近くになり、紅色、白、ピンク、黄色の大きな花を5月から6月に咲かせます。花の形は品種によって様々です。洋種は主に八重咲きと呼ばれるものですが、日本種はそれに加えて一重咲きや金ずい、冠咲き、翁咲きなどの形があり多岐にわたっています。
日本で品種改良された品種をニホンシャクヤク、ヨーロッパで改良された品種はヨウシュシャクヤクと呼ばれています。よく似ているといわれているボタンですが、同属ではあっても樹木という違いが有ります。共通していえるのは美しい花として有名であるということです。
ボタンが「花王」ならシャクヤクは「花相」といわれています。花の宰相という意味です。また、美しい女性を形容する言葉として「立てばシャクヤク、坐ればボタン、歩く姿はユリの花」というものがあります。枝分かれせず真っすぐ伸びた茎の姿が、美しい立ち姿に例えられています。
薬草としては、根の部分を乾燥させて薬として利用できます。含まれている成分はペオネフリンとペオニンです。効能は消炎や抗菌、止血、鎮痛、あと抗けいれん作用もあります。もちろん昔から漢方薬としても有名で、現在も使われ続けています。
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