コデマリの育て方

コデマリの育て方

コデマリは中国中部原産の落葉低木で、「コデマリ(小手毬)」の名はその漢字が示す通り、小さな手毬のように見える花の姿に由来します。古くは「スズカケ(鈴掛)」と呼ばれており、枝に鈴を掛けたように花がつくことからこの名がついたと言われています。学名のSpiraea cantoniensisの「cantoniensis」は「広東産の」という意味で、もともとの生息地を表しています。

コデマリの栽培方法

コデマリの育て方は、それほど難しいものではありません。地面から幹が多数伸び、大きく育つため庭植えがお勧めです。鉢植えで育てることも可能ですが、2~3年ごとに春か秋にひと回り大きな鉢に植え替える必要があります。それ以上に鉢を大きくできなくなったら植え替え時に株分けを行い、ふやしていきます。

苗を植えるのは2月中旬~3月下旬、または10月上旬~11月下旬が適しています。腐葉土や少量の完熟堆肥などを混ぜ、根鉢よりひと回り大きな穴を掘って植え付けます。根鉢の周りに十分水を注いだ後、棒などでつついて根と土とをなじませます。

極端に乾燥せず、日当たりと風通しのよい場所ならばそれほど土質は選びませんが、腐葉土などの有機質の多い、少し湿り気のある土壌だとよく育ちます。反対に、粘土質の多い土壌では育ちが悪くなるので、植える場所には気を付けましょう。日当たりのよい場所を好みますが、半陰性の樹木のため半日陰の場所でも育ち、花をつけます。

雨の当たる場所に植えていれば特に水やりは必要ありませんが、雨の当たらない場所で栽培する場合は、土の表面が乾いたらたっぷりと水をあげてください。また、極端に乾燥する夏の高温期には水やりをします。その場合は昼間ではなく、朝や夕方の気温の高くない時間帯に行ってください。

肥料は、1月上旬~2月下旬に寒肥を、5月中旬~6月上旬にお礼肥を与えます。春の活動に備えて冬のうちに与える寒肥には、強すぎずゆっくりと効く有機質肥料を、花の後に消耗した樹勢を回復させるためのお礼肥には、発酵油かすや緩効性の化成肥料を施します。

ふやし方には、さし木と株分けの2つの方法があります。種付けでふやす方法は用いません。さし木の適期は、葉の落ちている3月上旬~下旬です。前年に伸びた枝を10cmほど切り取り、赤玉土小粒などのさし木用土にさします。

風の当たらない日陰で土を乾かさないように水を与えていれば、4月~5月に新芽が出てきます。株分けの場合は、植え付け適期の2月中旬~3月下旬、または10月上旬~11月下旬に枝4~5本を1株として、スコップやはさみで分割し、それぞれ植え付けます。

コデマリの剪定

秋になると翌春に咲く花芽が分化するため、花が終わったらすぐに剪定します。コデマリの理想的な樹形は、細く枝垂れるような、やわらかい印象の枝振りを生かした形です。コデマリの特徴を生かした美しい樹形にするには、勢いが強くて長く伸びすぎた枝を整理することが必要です。

数年に一度は刈り込み剪定をするのもお勧めです。根元からばっさり切り落としても夏までには枝が伸び、翌春にはきちんと花を咲かせます。株の若返りを図るための剪定は、葉が落ちた後の11月~12月に行います。

古い枝や枯れ枝のない若い株は基本的にこの作業を行う必要はありませんが、株が大きくなってくると、枝の老化などが原因で花つきが悪くなったり、枯れた古い枝が風通しや日当たりの邪魔をすることがあります。

また、枝が根元からたくさん出て風通しが悪くなると病虫害が発生しやすくなるため、花のつきにくい細い枝や枯れ枝は根元から切って取り除きます。また、太く古い枝も老化で花つきが悪くなっているため、根元から切り落とします。間延びした枝や、込み合っている部分の枝も整理しながら剪定し、樹形を整えましょう。

花芽はその年に伸びた若い枝につきます。9月にはすでに翌春の花芽が作られるため、葉が落ちた後の剪定では若い枝を切ってはいけません。その時期に若い枝を切ることは、花のつく枝を捨ててしまっていることになるため、落葉後の剪定には注意が必要です。

注意が必要な病気と害虫

コデマリの栽培で注意したい病気はうどんこ病です。粉をまぶしたように葉や茎が白くなるため、かかってしまうとすぐにそれと分かります。1か所に症状が出るとどんどん広がってしまうため、予防が肝心です。枝が密になって風通しが悪くなると発生しやすいため、枝が込み合ってしまう前に剪定を行いましょう。

コデマリに付きやすい害虫は、カイガラムシとアブラムシです。葉の表面がテカテカ光ったり、ベトベトしたりすることがあれば、これら害虫の発生を疑います。これらはカイガラムシやアブラムシなど、吸汁性害虫の排泄物だからです。特に、日当たりや風通しが悪いとカイガラムシが発生しやすくなります。

カイガラムシは新しい枝や葉の育ちを妨げ、ひどい場合は枯れさせてしまうこともあります。幼虫の時期は薬剤散布が比較的効果がありますが、成虫になってしまうと薬が効きにくくなります。薬が効かない成虫は、見つけ次第歯ブラシでこすり落とすなど、手作業で駆除します。

一度発生してしまうと完全に駆除するのが難しくなるため、まずは発生を予防することが大切です。できるだけ風通しをよくするために適期には枝の切り戻しを行ったり、冬の間に石灰硫黄合剤を散布するなど、発生させないための対策をとりましょう。

コデマリの歴史

コデマリは中国中部原産の落葉低木で、「コデマリ(小手毬)」の名はその漢字が示す通り、小さな手毬のように見える花の姿に由来します。古くは「スズカケ(鈴掛)」と呼ばれており、枝に鈴を掛けたように花がつくことからこの名がついたと言われています。学名のSpiraea cantoniensisの「cantoniensis」は「広東産の」という意味で、もともとの生息地を表しています。

日本では古くから知られていますが、渡来した時期ははっきりしません。少なくとも江戸時代の初めには庭木などに利用されており、当時の出版物にも記述が見られます。1681年に日本で初めて出版された園芸書「花壇綱目」には「小手鞠」として紹介されており、さらに俳諧辞典「毛吹草」には「すずかけの花」、1713年の「俳諧・滑稽雑談」には「和名鈴掛、また小手鞠とも云う」とあります。

19世紀の初めにはヨーロッパに伝わり、花つきの良さと、この花の持つ周りをぱっと明るくするような雰囲気が好まれ、各地に広がっていきました。花言葉は「友情」。小さな花が寄りそい集まる姿が、友情の温かさを思い起こさせるのかもしれません。現在は、江戸時代から変わらず庭木として親しまれているほか、切り花や茶花としても好まれ、広く利用されています。

コデマリの特徴

コデマリはバラ科シモツケ属の落葉低木で、4~5月に花をつけます。前年伸びた枝の上に、5枚の花弁をもつ7mmほどの大きさの白い小花が15~20輪ほど集まって咲き、約3cmの手毬状になります。満開時は枝に沿ってびっしりと手毬上の花が枝や葉が見えなくなるほどに連なり、優雅に枝が垂れ下がる姿は見事なものです。

樹高は1~1.5mになり、枝は細く、長く伸びたものは弓状にゆるやかにしなります。秋は葉が赤く色づき、冬には葉を落とします。変種には八重咲きのヤエコデマリがあり、コデマリよりも少し重そうな花姿になります。仲間の植物にはシモツケやユキヤナギ、シジミバナなどがあり、これらシモツケ属は北半球の温帯に100種ほどが分布しています。

名前のよく似たものに「オオデマリ」がありますが、白い花が集まって咲く姿が似ているものの、スイカズラ科に属するまったく別の植物です。コデマリは寒さに強くて土質もそれほど選ばず、丈夫で育てやすいながらも観賞価値に優れているため、春を代表する花木として庭木や切り花によく利用されています。また、選定もあまり必要でないため、こまめに手入れをするのが難しい公園や街路の植栽にも広く用いられています。

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