モンステラ(Monstera spp.)の育て方

モンステラ(Monstera spp.)の育て方

モンステラはサトイモ科に属するつる性の植物です。アメリカの熱帯地域を原産とし、約30種の品種が分布しています。深いジャングルの中を生息地としているため、強い光をとても苦手としています。

モンステラの育て方

モンステラは果実を付ける植物ですから種子も当然あるのですが、種の保存が難しくすぐに腐敗してしまうことから種があまり流通していません。ホームセンター等で株分けをした鉢がよく販売されていますので、種付けから栽培するよりもこちらのほうがトライしやすいでしょう。

観賞用に室内で生育する場合は年中育てることが可能ですが、やはり春~秋にかけての暖かい時期に始めたほうが育ち方も良いです。成長するにしたがって、茎の部分が伸び、下の方から生えていた葉が落ちるようになります。

モンステラは育て方にもよりますが比較的成長の速い植物なので、放っておくとどんどん伸びて行ってしまい、鉢が倒れてしまうようになります。大きくなりすぎてしまったと感じたら、伸びすぎている部分を切り戻して全体の印象を整えますが、切るのに抵抗を感じる場合はもう一サイズ大きい鉢を用意して植え替えてしまっても構いません。

切り戻しをしても、これまでと同じように管理をしていれば切った部分から再び葉が伸びて来て成長を始めます。モンステラは茎の途中から気根と呼ばれる細い茎をたくさん伸ばします。この気根もあまりに四方八方に伸びていると美観を損ねますので、支柱や紐などを使ってうまく中心の茎に沿うように誘導しましょう。

どうしても邪魔な場合は気根は切ってしまっても成長に影響のあるものではありませんが、たくさんの葉が茎から伸びて生い茂る様がモンステラのエキゾチックさをもたらしますので、なるべくならそうした風情を維持したまま仕立ててあげましょう。

切り戻しの際に切り取った茎や気根は、さし木にそのまま活用できます。鉢にそのまま挿してやるだけてどんどん増えて行きますが、用土にしっかりと根付くまでは支柱で支えをしてあげたほうが無難です。

モンステラの植え替えと増やし方

大きく成長して鉢とのバランスが悪くなったり、鉢の底から根っこが出て鉢が倒れてしまうほどになったら植え替えをしましょう。植え替えの際には観葉植物用の用土を使うのが簡単ですが、自分で用意する場合は赤玉土を全体の半分くらいの割合に、腐葉土と川砂を適度に混ぜて水はけのよい状態の土を作るのが押さえておくべき点です。

観葉植物用の用土は室内に置くことを想定しているので、一般的には臭いの強い腐葉土などをあまり混ぜないようにしてあるものが多いです。置く場所にもよりますが、屋内に置くことを考えている場合は腐葉土の割合に注意し、外植えの園芸用の土は使わないようにしましょう。

植え替えの時期は7~9月くらいの温暖で湿度の高い時期に行うことがベストです。熱帯地域を原産とする植物ですから、暖かく湿った空気の中でなら多少作業によって傷んでしまった部分もはやく回復します。

鉢から抜いた根から土を軽く振り落とし、傷んでいる根の部分があれば切り落とします。今まで植えていた鉢より一回り大きいものを用意して植え替えてやります。植え替えをすると株全体の様子がわかりやすいですから、この機会によくチェックをして傷んでいる部分などがあれば切り落とし、伸びすぎている部分は誘因をするなどして改めて仕立てをしましょう。

モンステラの種を一般家庭で採取して種から育てるのは難しいので、一般的にはさし木で増やします。茎の部分を3節ほど、または気根のついている部分で葉が何枚かついているところを切り取って用土に植えつけます。

乾燥に注意しながら生育すれば、1か月ほどで根付き始めます。コツとしては切り口をミズゴケでくるみ、葉がついている部分は葉も一緒にまとめて包み、その上からラップ等を巻いて輪ゴムでとめ、乾燥を防ぎます。水分が蒸発しやすい切り口や葉を乾燥から守ることで成功率がぐんと上がります。

基本の育て方と日常的なお手入れ

モンステラは直射日光を好みませんので、室内の明るめの場所に置いて育てます。ジャングルの日の当たらない場所で育つものですから、強い光に当てると葉っぱが焼けて傷んでしまいます。

観葉植物全般に言えることですが、強い光に当てすぎてもいけませんし、まったく光の当たらない場所に置いても弱ってしまいます。春から夏の間はある程度遮光をした窓辺など、冬場は室内の明るい場所に置いて管理をしながら育てている株の個性を掴んで下さい。

モンステラは熱帯の植物としては寒さにも強いほうではあるのですが、暖かい場所にいるほうが安定した状態になります。特に冬場の霜に当たってしまうと枯れてしまうので、可能な限り室内で保存してあげてください。室温は冬場は5度程度を保って下さい。

モンステラは春から秋にかけては生育期となり、水を吸う力も強くなります。気温の上昇に従って土の水分も蒸発しやすくなりますから、土が乾かない程度に暑い時期は毎日水をやりましょう。

あまり水をやりすぎてしまうと根っこが腐ってしまいますし、育ちすぎの原因にもなりますので、土が乾いてきたら水をやることを目安にすると良いでしょう。冬場は土が乾いてきたなと感じて3日くらいしてから与える程度にしましょう。

モンステラは肥料をやると目に見えて成長が早くなり大きくなります。成長を促したい場合には春から秋の生育期にかけて、固形の肥料を2か月に1度ほど適量土に混ぜ込みますが、固形の肥料は臭いの強いものも多いので、液体肥料を使っても良いです。

肥料をやりすぎると大きくなりますので、お部屋のサイズに合わせて小さく抑えたい場合は肥料は控えめにしておきましょう。病害虫の心配はほとんどありませんが、乾燥している時にハダニやカイガラムシがつきやすい傾向にありますので、霧吹きなどで適宜葉や茎を感想から守りましょう。

モンステラの歴史

モンステラはサトイモ科に属するつる性の植物です。アメリカの熱帯地域を原産とし、約30種の品種が分布しています。深いジャングルの中を生息地としているため、強い光をとても苦手としています。

モンステラは英語の別名では「スイスチーズ・プラント」と呼ばれています。成長するに従って葉の淵のほうから葉脈にかけて独特の切れ込みが入り、穴が空いて面白い様相になるのですが、その様子がまるでチーズのようなのでそう呼ばれています。

モンステラの葉に穴が空くのは、ジャングルに降るスコールを避けるためだと考えられています。19607年代アメリカではミッドセンチュリーと呼ばれるモダンインテリアが大流行していました。この時代には旅客機による海外旅行が一般的になり、宇宙開発も始まり、アメリカの人々はこぞって国外の文化を取り入れようとしました。

そこで流行に敏感な人たちの興味を引いたのがモンステラでした。虫食いのように穴の開いた大きな葉っぱの模様は斬新さを求める人々の感性にマッチし、たちまちあらゆるインテリアに取り入れられるようになりました。

ミッドセンチュリーのアイコンのような存在として今でも根強い人気のあるモンステラ柄ですが、一方でその栽培の手軽さや丈夫さから屋内用の観葉植物としても親しまれています。

モンステラの特徴

モンステラは熱帯アメリカを原産としていますが、東南アジアや中国の暖かい地域にも生息しており、温暖な地域であればあまり場所を選ばずに自生するようです。モンステラという名前はラテン語で怪物を意味する「モンストラム」を語源にしていると言われています。

大きいもので葉の大きさが80cmにもなるとても大きな植物であることが由来していると言われています。代表的な品種にデリシオサ、アダンソニー、フリードリッヒスターリーというものがありますが、植物園などで見かける巨大なものはこのうちのデリシオサです。

観賞用に一般家庭で育てられているものはアダンソニーが多いでしょう。モンステラはサトイモ科の植物に特徴的な、肉穂花序と呼ばれる形状で花を付けます。トウモロコシのような棒状のものに無数の花が付き、完熟したあとこの棒のような部分は食べられるようになるのです。

シュウ酸カルシウムという成分が含まれているため、あまり大量に食べるのには適していません。総じて直射日光に弱いという点はあるものの、乾燥にも強く丈夫で病気にもかかりにくく、屋内でのインテリアとして初心者にも育てやすい観葉植物です。

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