ゆり(アジアティックハイブリッド系)の育て方

ゆりの植え付けと育て方
ゆり(アジアティックハイブリッド系)は初夏を彩る花ですが、植え付けは秋に行います。10月中旬から11月中旬頃、花壇に深めに植えつけるのが良いでしょう。花壇で栽培する場合には必ず40センチから50センチほど深く掘りよく土を耕します。堆肥や腐葉土を入れてふかふかの用土を作ってから球根を植え付けます。
ゆりの球根は下側だけでなく上側にも根を張る性質があり、上側に出る根は植え付けた直後から発生して養分を吸収し、芽を出し茎を太くするなど、開花までの育成に欠かせない働きをします。そのため、深く植え付けないと球根の上側の根がしっかり張ることができないので、できるだけ穴を深く掘りましょう。上側の根をしっかり張らせることが出来るかどうかでゆりの花の育成具合が大きく変わってきます。
またゆりの茎は大変長くなりますので、それをしっかりと支える役割を果たすのが下側に出るのです。草丈が高くなるにつれてこの下側の根の働きが重要になってきます。また球根は年々大きくなり球根の上側に新しい球根がコブのように生まれてきますが、この生まれた小さな球根をしっかりと土中に留める働きも根が担っています。
新しい球根が地表に露出してしまわないためにも深植えすることが欠かせないと言えるでしょう。深さがあまり取れない花壇でも、しっかりと根を張らせるために球根の高さの4個分の深さは確保します。鉢植えの場合にも深植えできる鉢を選びましょう。
ゆりの育て方と栽培方法
ゆり(アジアティックハイブリッド系)の栽培は水遣りが重要です。特に夏期は土が乾きやすく球根に影響を与えてしまうので、土の表面が乾いたらたっぷりと水をやりましょう。初夏の育成期は特に水を欲しがりますので葉やつぼみがしおれてしまう前にたっぷりと水をやりましょう。
とはいえ水はけの悪い場所ではゆり(アジアティックハイブリッド系)は育ちません。水がいつまでも溜まっているようだったら盛土をして水はけをよくしてやりましょう。栽培の中でも施肥については植え込み時に固形のつぶ状肥料を土全体に均等に混ぜ込むのが良いでしょう。その後液肥を月2回の割合で施します。
ゆりの鉢植えの育て方
ゆりは鉢植えでも育てることができますので庭がなくてもベランダや玄関先でも楽しむことができます。その場合は深植えできる背の高い鉢を選び、球根4個分の深さを確保して植え付けしましょう。日当たりを好むので日当たりの良い場所に鉢を置きますが、鉢だと水切れを起こしやすいので、初夏にかけては毎日水やりをして水切れを起こさないようにしましょう。
ゆりは寒さに当たらないと花を咲かせることができないので、鉢は屋内管理をせずに外で管理して、寒さにしっかり当てましょう。花を咲かせたあとは実をつけると球根が弱ってしまうので、早めに取り去ります。その上でお礼肥として固形のつぶ状肥料を与えましょう。球根が育って来年も立派な花を咲かせてくれます。球根は3年に一回程度彫り上げて管理すると、再び丈夫なゆりを咲かせることができます。
ゆりの種付け
ゆりは球根で育ちますので基本的に種付けはしません。種付けをする代わりに、球根がどんどん育っていきコブのようになりますので、その部分を外して増やしていくことができます。球根のコブを取り外し植え付けていくことで種付けの代わりになります。このようにゆりは種付けなしでも土に植えっぱなしでも毎年丈夫な花を咲かせることができます。
ゆりの病害虫対策
ゆりは害虫がつきやすい植物です。特に気温が上がり始める5月から初夏にかけてはアブラムシの被害が増えます。アブラムシは樹液を吸って株を弱らせてしまいますので殺虫剤などで対峙するようにしましょう。根元に撒くタイプの殺虫剤も有効です。
モザイク病などのウイルスが原因の病気やすす病にかかってしまうこともありますので日頃からよく観察して、病気に掛かった株があった場合には早めに抜いてほかの株が感染する前に処分しましょう。気温が高くなると葉枯病などを起こすことがありますので予防剤を定期的に巻きましょう。
このようにゆり(アジアティックハイブリッド系)の育て方は、病害虫に気をつける以外は比較的手軽です。庭植えにしたら、ほぼ放置しても毎年同じ時期に美しい花を咲かせてくれるので初心者でも育てやすい大変手軽な花だと言えるでしょう。バラほど病害虫もつかないのでどなたでも安心して管理することができるのが魅力です。
球根購入時には花色をよく確認しますが、まれにラベルとは違う色の花が咲くこともありますので、欲しい花色が決まっている場合には、開花株を購入すれば間違いありません。鉢植えでも地植えでも育てられる華やかな植物です。
ゆりの歴史
ゆり(アジアティックハイブリッド系)の歴史は古く日本では最も古い文献古事記に桓武天皇が、ユリを摘んでいた若い女性に心を奪われたという記載があります。万葉集にもゆりを詠んだ歌があり、江戸時代にはゆりを描いた襖絵が人気を博しました。明治時代になると日本が生んだ園芸種ヤマユリやカノコユリの輸出が盛んになりゆりは日本の重要な輸出品のひとつとなりました。
また、ヨーロッパでもゆりの歴史は古く、聖母マリアの象徴として親しまれています。クレタ島の遺跡の壁画からはゆりが描かれているのが発見されています。メソポタミヤ文系やエジプト文明ではゆりが文様の一つとして描かれています。その後その後もキリスト教のお祭りなどではゆりはマドンナ・リリーとして欠かせない花となっています。
近年はヨーロッパでもゆり(アジアティックハイブリッド系)がヨーロッパでも人気となり、マドンナリリーと人気を二分する育てやすい園芸種として栽培されています。ゆりは魚の目の治療など皮膚病に効果がある薬草としても親しまれています。現在でも百合根として食用になるなど歴史の上で人々と深く関わっているのです。
ゆりの特徴
ゆり(アジアティックハイブリッド系)は日本ではスカシユリと呼ばれています。花びらと花びらの間に隙間がある、という意味のスカシユリという名称で、主に生息地としてアジア一帯に広く分布しています。原産は日本をはじめ、アジアの各地で特に日本に古くから自生していたスカシユリの仲間であるエゾスカシユリと、イワトユリは花形が美しく、丈夫で育てやすいため、多くの国に輸出され園芸種として品種改良されて親しまれています。
エゾスカシユリは早生の性質があり、ほかの花々が咲いていない時期に花開くという特徴があり、品種改良に活かされています。一方でイワトユリは下向きに咲かずに上向きに咲く性質があるので、俯いてしまい美しい花が見えにくいというゆりのデメリットを解消する特徴を備えているため、多くの園芸種にその特徴を生かされています。
特にゆり(アジアティックハイブリッド系)は花色もバラエティに富んでいて、白や黄色だけでなく、オレンジ色や赤、茶色などさまざまなカラーバリエーションが楽しめ、ブーケを華やかで高貴に彩ってくれるという特徴があります。さらに最近では八重咲きの品種も出ており彩を添えています。
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